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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
真・四十八話 才女の覚醒、そして……
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。
そして素人ならばするであろう初歩的なミスをしていない。
「な、何で私、二本で防御を……?」
そう、木刀を二本持った初心者がしてしまう初歩的なミス。それは相手の攻撃を片方の手に持つ木刀で受ける事。
通常、人間は咄嗟の条件反射では利き手を使う事が多い。防衛の為ならば猶更だ。
しかし、なのはは今、両手の木刀をしかも交差させて止めた。
交差させる事で両手にかかる負担を半減させる事が出来る。それをなのは自身は知らない筈なのだ。
「やっぱり、体が覚えているのか……」
なのはが戸惑う中、恭也はある意味で疑問が確信に変わっていった。
恭也は最近、なのはの動きにひどく違和感を覚えていたのだ。いや、それは昔からだが……より正確に言うならば、
昔
(
・
)
に
(
・
)
戻
(
・
)
っ
(
・
)
て
(
・
)
き
(
・
)
た
(
・
)
と言った方が正しいが。
そう、先ほどのなのはの考えていた事、ありえないかもしれない可能性は当たっていたのだ。
「なのは。お前は一年ほど、その木刀を握りこの道場で鍛錬を積んでいた」
「え……?」
そこから恭也は語り出す。なのはは覚えていない、あの衝撃的な一年間の出来事を。
「まず、会って一言目が「僕と手合わせをして下さい」だったな。いきなりどういう事だと、怒った。なぜならなのはと同年代の少年が言ってきたからだ。それから相手にはしなかったが、そいつが言った一言が俺の神経を逆撫でした」
「『なのはと同年代である僕と戦えませんか?そんなんで家族を守れるんですか?』ってな。当時、父さんが大怪我を負って、家族を俺が守らないといけない、といった強迫観念に囚われていたから、そんな簡単な挑発に乗った」
「もちろん、俺はその子を叩きのめした。だが、その子の眼。それだけは死なずに何度も立ち上がってきた。問われたよ『あんたはなのはの家族だろ?』って。だから、俺は当然だと答えた。それを踏まえた上で間違っていると指摘され、俺は思わず頭頂部に木刀を振り下ろしていた」
「その子は頭から血を流しながらも、こう言ってのけたよ。『あなたが望むのは家族の平穏でしょ……?だったら…………だったら! の気持ちを少しは考えてくださいよ!なのははただ、笑っていてほしいだけなんですよ!貴方達に!その気持ちを考えてやってくださいよ……!』……俺はどこかで間違えていたんだろうな……守る筈が逆に無意識の内になのはの存在が俺の邪魔となっていると思っていたのだろう。だから、俺はお前を避け続けた。それを指摘されたよ」
「俺はそれから、反省してな……積極的に関わろうとしたが、なぜかお前は自分からそれまでやる気の欠片もなかった剣術を習いたいと言い出した。理由を聞くと思わず軽く吹いちゃったよ。「
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