堕落した国王
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「まあまあ、落ち着けよ」
「あ…兄ちゃんっ!」
それはワポルの実の兄であるムッシュールであった。
ピンク色のおかっぱ頭が目立つ、長身の男だ。
サングラス越しに見える瞳は鋭く、佇まいも隙がない。
このことからムッシュールという男はかなりの強者であることが伺えた。
「このムッシュール様の能力の前には何もかも無力だ、ムッシッシ〜!」
「そうだな、兄ちゃん!頼りにしてるぜ!」
「このカパ野郎が!お兄たまと呼べっつってんだろーが!」
「ご…ごめんよ、兄ちゃん!」
「分かればいいんだ、ムッシッシ〜!」
「まっはっはっは!」
先程とは打って変りコントのようなやり取りを交わし、ワポルとムッシュールは笑い続けた。
一方、ドラムロッキーへと向かったアキト
「……」
一人寂しく城の外観を眺めていた。
現在、このロッキーマウンテン上にいるのはアキトとナミの2人だけだ。
無事、アキトはDr.くれはの居城へと辿り着いていたが、家主は外出中であった。
こうなっては仕方ない。
アキトはナミを抱え、城内に向け悠々と歩を進めた。
一方、アキトを見送ったルフィ達
「何!?ワポルが帰ってきただと!?」
「ああ、間違いない。しかもあのワポルの兄であるムッシュールも一緒に帰ってきている」
「ムッシュールもか……!?」
彼らはイッシー20、ワポルに従っていた医者達は決死の思いでワポル達の下から脱走してきたのだという。
彼らは今や、この島の危機を伝えるべくドルトンの下へと駆け付けていた。
彼らが語る内容は島民達を恐怖のどん底に陥れるには十分であった。
ワポルはこの島の国民達を一掃するべくムッシュールの猛毒を撒き散らすつもりらしい。
発射源はDr.くれはが住む城であり、事態は一刻の猶予もないことを告げられた。
「おいおい、かなりヤバい状況なんじゃねーか、これ!?」
「あの、ドルトンさん。これは一体どういうことでしょうか?」
状況の理解が追い付かないビビがドルトンに尋ねる。
「君達はまだこの島を取り巻く現状を知らなかったな。……良い機会だ。今、此処で君達にこの島の全てを話そう」
そして、重々し気にドルトンの口からこの国の現状が語られた。
─ 数ヶ月前にこの島は一度滅びていること ─
─ ある海賊達の手によって ─
─ その名を"黒ひげ" ─
─ そんな危機的状況で国王は誰よりも早く逃げ出したのだと ─
─ 国政は独裁政権であり、酷く、残酷であった ─
─ その名を"ワポル"。酷く独占的で残酷な王であった ─
─ 故に、誰もがワポル
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