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とある3年4組の卑怯者
88 機会(チャンス)
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なってくれたから泣き虫を治そうとこう努力しています!藤木さんもきっと御自分の欠点を治そうと努力すればきっと皆振り向いてくれますよ!」
「みどりちゃん・・・、うん、そうだね、俺、卑怯を治したいな・・・」
「大丈夫よ、藤木君のためなら私達も力になるわ!」
「堀さん・・・、うん、ありがとう!」
 堀はみどりが泣き虫を治してクラスの中に馴染めるようにした時のように藤木を立ち直らせてあげたいと思った。
「藤木君、また昨日のように一緒に滑ろう!」
「うん、いいよ!」
 藤木とみどり、そして堀の三人は共に滑った。そして藤木は学校での孤独も全て忘れて。そして堀こそが自分を救ってくれた天使だと感じていた。

 三人は滑り疲れたので、少し休憩する事にした。
「あの、何か飲み物いる?私、買ってくるわ」
「はい、私温かいココアがいいですね!」
「僕も!」
「分かったわ」
 堀は自動販売機の方へ向かった。その間藤木はみどりにある事を言おうと決めた。
「あの・・・、みどりちゃん」
「はい?」
「実は、僕、さくらにも不幸の手紙を出してしまったんだ・・・」
「え、まる子さんにですか!?」
 みどりは驚いた。藤木はさすがにこれだけはみどりも擁護できないだろうと恐れた。
「うん、僕は出した皆に本当に申し訳ないと思っているんだ。でも僕が言っても分かってくれないかもしれない。お願いがあるんだけど、もし今度さくらに会ったらすまなく思っているって伝えてくれるかい?」
 人に謝罪の代弁を要求するなどやはり自分は卑怯なのかと思いながらも藤木はみどりに尋ねた。
「そうですね・・・。分かりました!やってみます!」
「ありがとう、みどりちゃん・・・」
 みどりは怒らなかった。藤木は安心した。
 
 堀は自販機でココアを三人分買った。そしてベンチに座っているみどりと藤木の元へ戻ろうとする。
「ありがとう、あ、お金」
「別にいいわよ、私のおごりよ」
「え?う、うん・・・」
 藤木達は堀が買ってくれたココアを飲んだ。その時、堀はある一枚のポスターに注目した。そのポスターには『アマチュアの静岡県スケート大会 小学生部門』とあった。
「藤木君」
「何だい?」
「藤木君もこのスケートの大会に出てみない?出るだけでもきっと自慢できるものになる思うわ」
「え?でも、僕なんかで上手くできるかな?もしかしたら途中で失敗して笑い者になるかもしれないよ・・・」
「弱気になっちゃだめよ。卑怯を治したいって自分で言ったでしょ?積極的にならなきゃ!」
「え?う、うん・・・」
「そうだな、私も是非君にこの大会に出る事を薦めたい」
 別の人の声がした。三人は声の方向を向くと、サングラスをかけた一人の男性が立っていた。
(この人は・・・!!)
 藤木はその男を覚えてい
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