第114話 最強のお守り
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「心配すんなって。簡単に負けるつもりなんてないし、別に命まで懸けて戦おうってわけじゃない。ちゃちゃっとやっつけてくるから、ちょっとだけ待っててくれよ」
「う、うん……」
「……む、無理だけはしないでね、龍太君……」
俺はなるべく心配させまいと、ニッと笑って見せる。だが、二人の不安を拭い去るにはどうにも不十分であるらしく、二人とも渋々納得している程度だった。
かと言って、いつまでもこの娘達の相手ばかりしているわけにも行かない。
俺は悠然と腕を組み、こちらを睨み続けている瀧上さんを一瞥すると、彼と同じように客席からアリーナへ颯爽と飛び降りるべく、手すりの上に足を乗せる――
「……ダメえぇえーッ!」
――が、その瞬間。聞いたことのない叫び声が、俺の足を止めさせた。
愛らしい少女を思わせる声色だが、こんな声は聞いたことが……いや、これは、まさか……!?
俺は声が聞こえた方向へ急いで首を回し――そして、目を見開く。
「……ダメッ……! 絶対に、ダメッ……!」
あの叫び声を発した、声の主。それは、ここに来て初めて、「大声」を上げた四郷だったのだ。
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