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Secret Garden ~小さな箱庭~
『忘れ去られた人々編』
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せて、自己暗示をかけてからヨナの手料理を食べるのが日課となってしまった。

「出来たよ。お兄ちゃん!」

 ビクンッ。台所から聞こえてくるのは妹の嬉しそうな声。でも香って来る臭いは、どちらかと言うと御伽噺(おとぎばなし)に出て来る魔女が釜の中でかき混ぜているスープを彷彿させるものであり、

「いっぱい作ったから、いっぱいおかわりしていっぱい食べてね。
 お兄ちゃんは他の人におじさん達に比べたら細くて木の枝みたいだから……だからいっぱい食べて元気にならなきゃね」

 満面の笑みで"ソレ"を持って来るヨナ。お兄ちゃん想いな妹に育ってくれてお兄ちゃん冥利に尽きるよ……泣きたいところだが、目の前に出されたのはやはり魔女のスープを思わせる紫色の泡を噴く謎の食材が浮いている液体だった。

「あーんっ」

(差し出されたスプーンを僕は――)

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