『忘れられた人々編 』
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外に出る事を許された存在である。ルシア達兄妹を入れて三十人程しかいないこの村の殆どはあまり身動きが取れないお年寄りばかりで、働き盛りの若者と言えばルシアくらいしか思い浮かばない。
彼の頼みごとをされると断ることが出来ない性格も禍してか、
「じゃあ今日は西の草原で放牧しているヨッカルの手伝いをして来てくれー。
こんなあっちぃ日に、お天道様の直射日光なんて浴びちまったりしたら真っ黒焦げになっちまうよっ」
豪快に笑うただの面倒くさがりの頼みごとを
「ええ、いいですよ」
何も考えず二つ返事で引き受けてしまう程の村一番のお人好しは良いようにこき使われる。
そもそも此処へ来るように呼んだのは面倒くさがりだ。だが自分にされや頼みごとが面倒になり、仕事はルシアへなすりつけて昼間から酒場に入り浸ろうという魂胆なのだろう。
そのことを知ってか、知らずかルシアはニコニコした笑顔で面倒くさがりの男に手を振る。そして丘の上にある西の草原へと歩き出した。
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