7時間目
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また幻覚を使ったものだと思い、茶々丸に本体の居場所を探らせるが。
「いえ、マスター……間違いなく目前の彼女から生体反応が発せられています、また周囲にそれらしい反応が感知されないことから、彼女は幻覚ではないと思われます」
「なんだと?」
それを聞き、険しい表情で考え込む彼女。
(それほどの完成度が高い幻覚ならなぜ私の時に使わなかった、それがあれば無駄なダメージをおう必要もなかっただろうに、いや待て、あいつは何て言った? 幻と実を操る程度の能力……いやまさか)
「ああそうだ、忘れてた」
周りに飛び回る使い魔をまるで無視して、懐から洋封筒を取り出す。
「マクダウェル、あんた宛てに手紙があったんだ」
とまるで手裏剣でも投げるかのように洋封筒をエヴァンジェリンに向けて投げ渡す。
クルクル回転しながらそれはまっすぐエヴァンジェリンに向かい、彼女はそれを右手で受け取る。
「それといい機会だから言っておく」
振り返り、魔法使いたちに向き直る。
「あんたらが何もしなけりゃ私も何もしねえ、あと4年くらいすりゃおとなしく出てく予定だから――」
彼女の言葉を遮るように、千雨を中心に竜巻が発生する。
並の術者ではただとらわれるしかないほどに強力なものだが、
「それまで、ほっといてくれりゃあいい」
千雨は何事もなかったかのように竜巻から脱出する。
竜巻はそのままにすり抜けるように出現するその様をみて、彼らの間に動揺が走る。
「高畑先生レベルならともかく、そこらの人間の魔法使いじゃあ私の敵じゃねえからな、やるだけ無駄だ」
「は、まるで自分が人間じゃないとでもいいたげだな」
そう言って踵を返そうとするが思わぬところから待ったがかかる。
「ああ、半人前と言え私も魔法使いだからな、そこらの人間相手くらいなら楽勝だわ」
「君は魔族とでもいうのかい?」
「いいや、魔法使いだ、もっともこの意味が分かる人間が麻帆良にいるかどうかは怪しいがな」
高畑の問いに皮肉をつけて返す。
「無駄話はここまでだ、じゃあくれぐれも私に関わろうとすんじゃねえよな」
そう言って彼女の姿は消える。
魔法使いたちはすぐにあたりを捜索するが見つかるわけもなく。
こうしてネギ先生が麻帆良にきてから一番危険で、騒がしい夜は終わりを告げた。
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