7時間目
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ろう」
「……まああいつらに聞かせる話でもないからな」
三人が消えた途端その場に不穏な空気が流れる。
「ここまで派手にドンパチやったんだ、そりゃ気づかれるさ」
そう言って千雨は振り返る。
「わかっていたのなら、話は早いね」
そこにいたのはネギでも明日菜でもなかった。
スーツ姿の中年の男性とその背後に並ぶ数名の人間。男性と同じくスーツをまとった者もいれば、千雨と同じく学生服の者、さらには修道服を身にまとった者もいる。
歳も性別もバラバラな彼らの共通点はたった一つ。彼らはこの麻帆良の実態を知っているということ。
それすなわち、彼らは”魔法使い”であるということに他ならない。
「エヴァンジェリン君が近々ネギ君に戦いをしかけるだろうということは予想されてたからね、こうして皆陰ながら見守っていたわけさ」
それを聞き、「ふん」とそっぽを向くエヴァンジェリン。
確かの校長である近衛近右衛門から釘を刺されたこともあり、こうなることが想定されていても不思議ではない。
けれど、と彼は、高畑・T・タカミチは続ける。
「君は一体誰なのかな? ほかの全魔法先生・生徒には連絡が取れていて彼らではないことは確認済みさ」
「さあな、誰だと思う?」
「さっぱりわからないね、できればこのまま大人しく私たちについてきてくれるとありがたいが」
「は、それでほいほいついていくようなら、幼稚園からやり直した方がいいと思うぜ」
タカミチの誘いを挑発的に断る。その言葉からは彼らに対する敵意が見え隠れしていた。
「なら多少強引にでも君の正体をあばくしかないね」
とタカミチの後ろにいた内の一人が前に出る。
それにつられ、ほかの生徒や教師も戦闘態勢に入るのが見て取れた。
「はぁ……わかっちゃいたが、こればっかりはしかたねえか」
彼らからしたら千雨は所属不明の怪しい人間。
そんな奴が目の前にいれば捕まえようとするのが普通だろう。
一触即発な彼らの様子を前に千雨はどうしたかと言えば。
「まあ、あんたら人間にゃ無理だと思うがやるだけやってみればいいさ」
まるでそれらが最初から無いかのように、まるっきり無視して背を向けて歩き出した。
「な!? 待ちなさい!!」
焦った女生徒の一人が千雨を捕らえようと黒衣の使い魔を放つが、捕まえることができない。
「何?」
いや、そもそも触ることもできていない。
使い魔たちが千雨を捕らえるために触れようとするが、その度に彼女の体をすり抜けてしまう。
まるでそこに初めからいないように、まるで立体映像に触れているかのように彼女に指一本触れることができていない。
「茶々丸、本体はどこだ?」
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