87 本性(ひきょうもの)
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の本性をさらけ出してしまおうと思った。
「うん、わかった。言うよ。でも、話したら僕を嫌いになるかもしれないよ」
「大丈夫よ、嫌いになんてならないわ、言わないで一人で抱え込む方が良くないわよ」
三人はリンクを出てベンチに座り、藤木は不幸の手紙の事を語り出した。
「実は僕の家に不幸の手紙が来て、それで不幸が来るのが恐くて書いてあるように四人に出しちゃったんだ・・・」
「そ、そうだったんですか・・・!?」
「それで、今日学校で皆に責められて、嫌われたんだ・・・」
藤木は泣き出した。
「誰か相談できる人はいなかったの?」
「いたかもしれないけど、言うと嫌われたりするのが恐くて言えなかったんだ・・・」
「そうだったの・・・。確かに藤木君もそのまま出したのは悪いわね。ちゃんと相談すれば何とかなれたのに・・・」
「そうさ、本当俺はバカだよ・・・。誰にもちゃんと言わないで結局嫌われて・・・。本当に・・・」
卑怯だよ、と藤木は続けようとしたが、二人とも自分が卑怯者とは知らなかったので止めた。
「みどりちゃん・・・」
「は、はい?」
藤木に急に呼ばれてみどりは動揺した。
「僕が学校で何て呼ばれているか知っているかい?」
「いいえ、分かりません」
「『卑怯者』さ。僕は何かとんでもない目に遭いそうになるとすぐに逃げたり、見栄を張って嘘をつく卑怯な奴なんだ!君はこんな僕を好きになれるのか!?こんな卑怯者なんかが好きになれるのか!!?」
藤木は自分の本性を明かした。
(ふ、藤木さんが卑怯者・・・!?)
みどりも泣きそうになった。
「私は、私は・・・、それでも絶対藤木さんを見捨てません!」
「え?」
「藤木さんはとても優しくて純粋な方です!もし藤木さんが本当の卑怯者だとしても私はどんな時も藤木さんの味方でいます!それに私だって堀さんに会うまでずっと今の藤木さんみたいに学校では一人ぼっちでした。藤木さんのその寂しい気持ち、私にも分かります!もし藤木さんが寂しいならば私はいつでも傍にいます!だって、藤木さんは私の大切な人ですから・・・」
「みどりちゃん・・・、ありがとう・・・」
藤木は別にみどりは好きでもない。しかし、自分の肩を持とうとしているみどりにありがたく感じた。みどりも藤木とデパートに行った時にクラスメイトの男子に絡まれた所を藤木に助けられたし、社会科実習で取材したラーメン屋に藤木を連れて行った時に美味しかったと言われたし、今度は自分が藤木を助ける番だと考えていた。
「でも、確か藤木君の所にその手紙が来たんだっけ?」
堀が尋ねた。
「う、うん・・・」
「誰が出したかわからない?」
「うん、差出人の名前がなかったからね」
「おかしいわ。確かに藤木君も悪いけど、藤木君に出した人が一番悪いわ。どうして藤木君に手
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