暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica8-A邂逅〜Koenig der Unterwelt und Kaiser〜
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
強さを証明するためです」

「それは志半ばで討たれたことへの恨みも入っていますか?」

「いいえ。それは逆恨みというものです。・・・悲願なのです。私の記憶の中に居る彼、クラウスの・・・。天地に覇を以て和を成せる王となる、と」

それは本末転倒な気がしますが・・・。次元世界では未だに紛争が、そして犯罪が起きています。完全な平和な世界とは言えませんが、ベルカ戦乱時代に比べればまだ平和な方です。それを彼女が乱すなんて愚の骨頂としか・・・。

「理由はどうであれ、あの子たちに手を出すということは、2人の御家族や聖王教会騎士団を手に回すということ。その覚悟はおありですか?」

その大半がSクラスの魔導師・騎士。私もかつては数多くの英傑を見てきました。だからこそ判る。アインハルトは決して弱くはありません。ですがそれはあくまで子供の範囲内での話。今の彼女はまさしく井の中の蛙。クラウスの記憶を持っていようとも、実際に戦闘を経験しなければ、自身の今の実力を理解でないはず。

「・・・。それが必要なのであれば」

「どうしてそこまで・・・」

「・・・弱かった所為で、強くなかった所為で、彼は彼女を救うことが出来なかった・・・。その後悔が私を苛むんです・・・。ですがその後悔をぶつける相手ももう居ません・・・! ならせめて、この現代で覇王こそが最強であると示すしか・・・!」

これは私ひとりでは解決できないようです。クラウスの、オリヴィエを救えなかった、という後悔があまりにも強すぎて、子孫であるアインハルト・ストラトスの心を苛んでいる。冥王イクスヴェリアとしての私は、彼らとは談笑できるほどの交友関係ではなかった。だから私の言葉は届かない。

(だからと言ってここでヴィヴィオを出すのは、あまりにも勝手です・・・)

ヴィヴィオの優しい心なら、アインハルトの傷ついた心を癒してくれるでしょうが、それを丸投げするわけには・・・。グッと握り拳を作って、「話が無ければ、これで失礼します」と去っていく彼女の背中を見送った。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ