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あの人の幸せは、苦い
3. 気持ちは、伝えられない
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ただ引きずられながら、そんな二人を見守ることしかできなかったのだが……

『あんたもほら、ハルに挨拶』

 幾分憤りが感じられるような声で隼鷹にそう耳打ちされ、私は慌ててハルに声をかけた。

「……は、ハル!」
「おう!」

 私の呼びかけに、ハルは笑顔で応えてくれた。

「結婚おめでとう! 末永くお幸せに……!!」

 口をついて出たのは、今の私の胸に一番痛い……一番、聞きたくない言葉。

「ありがとう! 川内も、ありがとう!!」

 そんな、一番言いたくなかった言葉を聞いたハルは、今日一番嬉しそうな顔を私に見せた。

 そんな彼の笑顔が、私には一番つらかった。?

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