凡人は自分の欠点を嫌という程知り尽くし現実を知って絶望する。そしてその事実を認めない天才と勘違いする輩は屑となる。
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れが『母親』としての愛情だと『師範代』の私は自分に言い聞かせてきた。これが娘のためだと思い行動してきた。だが、現実はどうだ。西住流を徹底させて娘の意思に反して戦車道をやらせた結果が娘の事故死。娘が死んだというのに『母親』としての顔を出せずに『師範代』としての顔をずっと出している私はいったい何なんだ?
「ああ……私は何て事を……」
娘を愛していたのに、どんなに厳しく辛い事があっても明るく穏やかな心を持つみほを愛していたのに。『母親』としては本当は過激な武道である戦車道をみほにやらせたくなかった。だけど西住流『師範代』としての顔を持つ私が、それを許さずに戦車道をやらせた。みほは本当に心が優しくて、自分よりも他人を大事にすることはわかっていた。いずれ危険な事態となってみほ本人に取り返しがつかない事態になる事など分かりきっていたではないか。それを無視して戦車道をやらせた自分を本当に呪いたくなった。『母親』としての顔でいればこんな最悪な事態にならずに済んだと後悔の念が私を渦巻く。
「みほ……ごめんなさい。」
『師範代』と『母親』の気持ちは両立しない。そんな当たり前の事を娘が亡くした事で理解するなんて私はつくづく愚かな存在だと理解させられた。
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