0276話『レーベの武蔵チャレンジ。なお……』
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いる提督の顔があった。
「これは………もしかして、本当にビスマルクか?」
「いえ、わからないわよ。もしかしたら長門か陸奥かもしれないわ……」
「でもなぁ……こんないい感じに一回で出ると思わずビスマルクかもしれないって思ってしまうじゃないか」
「まぁ、そうね……」
提督とビスマルクがそう言って二人して神妙な顔になっている。
ボクはそれでおっかなびっくりな感じで二人に聞く。
「そ、それじゃ高速建造材を使うけど、いいよね……?」
「ああ、頼む……これでビスマルクだったら運は回ってきていると感じられるからな」
「そうね。でもこれで長門や陸奥だったら笑ってあげるわよ提督」
「ああ、頼む。むしろ笑ってくれ」
《なんかドキドキしますね》
榛名も顔を出してきて固唾を飲んで見守っている。
ボクはそれで意を決して高速建造材の投入ボタンを押した。
そしたら妖精さん達がわらわらと出てきて一気に建造を始めていた。
そして建造室が開いてそこに立っていたのは……、
「Guten Tag.私はビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルク。よおく覚えておくのよ」
思った通りビスマルクが建造室から出てきた。
それでボク達は思わず無言になる。
「……な、なぁに? この変な空気は……? 私、もしかして歓迎されてない?」
そのビスマルクの言葉で提督も我に帰ったのか、
「あ……すまない。いや、ビスマルクが建造できたのは嬉しい誤算だからいいんだ、うん……」
「そ、そうなの? それならいいんだけどね」
「あなた? 同じビスマルクとしてここでの規則とか守り事を教えてあげるわ」
「あら。それは嬉しいわ。よろしくね、私」
「ええ」
それで握手を交わす二人のビスマルク。
そんな二人をよそにボクは提督の肩に手を置いて、
「……まぁ、こういう時もあるさ。まだ今月は十分に期間はあるんだからまた挑戦すればいいじゃないか」
「……そうだな。レーベ、また資材がカンストしたら頼むな」
「まさかの三人目とか出ても微妙な視線を送ってこないでよ?」
「努力する……」
そんな感じで本日の武蔵建造チャレンジは終わりを迎えたのである。
提督に運は微笑むのかどうか……。
ボクもさすがにさっき思った気持ちを提督に教えられなくなったから申し訳ない気持ちで一杯だよ……。
《提督、それじゃ執務室に戻りましょう?》
「そうだな。気持ちを入れ替えて頑張っていこうか」
提督と榛名はそれで工廠を出て行った。
「それじゃ行きましょう。あ、アークロイヤルとかいるから艦載機で追われないように気を付けなさい」
「はぁっ!? それって本気なの!?」
そんな会話をしながらも二人も一緒に工廠を出て行った。
うん、ボクもいつまでも
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