暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第83話 俺の社会的生命終了のお知らせ
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んがいるかァァァァッ!

 ……だが、そんな暴言を口にしたらどんな泣き方をされるかわかったもんじゃない。それに、泣かせるとわかってて言うほど鬼になるつもりもない。ゆえに黙秘権を行使。

「どうかしら? まさか赤ちゃんになっちゃうとは思わなかったけど……素の彼女も、なかなか可愛いものでしょ? 一晩中可愛がってあげたら?」
「赤ちゃんになるとは思わなかったって――所長さんの仕業じゃないのかよ!? しかも『素』って……!」
「あぁ、そういえば説明がまだだったかしら。お嬢さん三人に飲んでもらったジュースには『自己の胸中に眠る性癖』を呼び覚ます作用があるの。鮎子から聞いたわよ? あなた、この娘達から随分好かれてるらしいじゃない。だから彼女達の恋路を成就させられるようにって、一肌脱がせてもらったってわけ。人体そのものに害はないから、安心していいわ」
「安心できない! 全く安心できる状況じゃないですよ所長さん!」

 どうやら所長としては敵意があってこうしたわけじゃないらしいが、イロイロとめんどくさい状況になったことには変わりない。つーか所長さん自身が楽しみたいだけだろコレ!

「ま、待てよ……てことは他の二人も!?」

 救芽井をアブない体勢で抱っこしたまま、俺は矢村と久水の方へ振り返る。

「きゃっ! み、見られとる……龍太に見られとる……」
「……え?」

 そして視線の先にいた矢村――らしき何者かが、ほんのりと頬を染めながら、愛しげにこちらを見つめていた。背と尻をこちらに向けて、明らかに「誘っている」かのようなポーズと共に。

 ――短パンから見せ付けるかのようにスラリと伸びた小麦色の脚に、ノースリーブの上着をたくし上げた部分から伺える、日焼けを逃れた白い肌。スポーツ少女ならではの、日焼けしきった所と普段日焼けしない所との対比が、そこはかとない背徳感を醸し出している。

「ハァ、ハァ……み、見とる……めっちゃ龍太、アタシ、見とるッ……!」

 向こうもそれに近い何かを「感じて」いるのか、自分の指を薄くみずみずしい唇の奥へと入れながら、妖しい水音と共に小さくブルブルと身悶え――

 ――ってちょっと待てェ! なんだこれ! なんだこの状況!

 俺が知ってる矢村賀織は、こんな露出羞恥プレイがお好みのド変態じゃないぞ! これが矢村の素だと申されるか所長さん!?

「私の作った薬は『対象の性癖を覚醒させる』だけのことよ。本人のキャパシティに収まらないような性欲を活性化させる作用はないわ。その矢村って娘、よっぽどあなたに『見て』もらいたくてしょうがなかったのねぇ〜」

 物言いたげな俺の視線を受けて、所長さんは楽しげに最悪な返事を寄越しやがった。アンタ、マジで覚えてろ!

「あっ、は、ハァッ……龍太……もっ
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