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世界に痛みを(嘘) ー修正中ー
ドラム王国へ
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する。
 今、自分達はナミのことで手一杯の状態だ。
 他のことに手を回す余裕などあるはずもない。


 しかし、今のビビの内心は荒れに荒れていた。

 母国であるアラバスタ王国の内政の悪化、このままでは愛する国民達が無意味な死を迎えることになる。
 加えて、突如、ナミの体調は死に直結するレベルのものだ。

 アラバスタ王国を取るか、それとも仲間であるナミを取るか。
 二律背反の気持ちがビビを苦しめる。

 どちらを取るのも間違ってなどいない。
 本来ならば一国の王女としての立場ではアラバスタ王国を迷わずに選択するのが正しいのだろう。
 しかし、冷徹になり切れない心優しき彼女は仲間を見捨てることなど出来るはずもなかった。

 ナミを一刻も早く医者の下へ連れて行きたい。
 だが、アラバスタ王国の下へ一刻も早く向かいたい。
 しかし、ナミの様子は少しの猶予もない程の重症だ。


自分は王女として、それとも彼らの仲間としてどちらの立場を優先すればいいのだ

どちらを選べばいい

ナミ?それともアラバスタ王国?

いや、違う。どちらも正しい選択であることに変わりはない

選択の時が迫っているのだ

もしも、ナミの治療を優先しアラバスタ王国が乗っ取られてしまったら?

逆に、アラバスタ王国へ向かうことを優先し、ナミを救うことができなかったら? 

どうする?

どうすべき?

ドウスレバ?

私はどちらを選択することが正しいのだろうか


 

 

「ビビ、少し考えすぎだ」

 苦悩し、険しい表情を浮かべるビビの頭にアキトの手が置かれた。

「アキトさん……」

 見ればナミの額には水で冷やしたタオルが当てられ、ベッドの傍には水が汲まれた桶が置かれていた。
 どうやら思考に没頭する余りアキトが戻ってきたことにも気付かなかったようだ。

「ビビの立場を考えれば一刻も早くアラバスタ王国へと向かうのが正しいのは理解出来る。それが上に立つ者が取るべき選択であり、正しい選択だ」

 アキトは諭すように優し気に彼女に語り掛ける。
 彼が語ることは実に合理的で少数を切り捨て多数を救う方法であった。

 分かっている。
 分かっているのだ。
 自分にそんな選択肢を選ぶ度胸がないことなど分かり切っているのだ。
 ただこのどうしようもない状態に対処することができない自分自身に意気消沈しているだけなのだ。

 そんなビビの内心を理解しているのかアキトは言葉を続ける。

「だが、今アラバスタ王国に向かったところで直ぐにその問題を解決出来るわけでもないのも事実だ。今、ビビがすべきことは後で後悔しない選択をすることだと俺は思う」

「私が後悔しないように
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