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とある3年4組の卑怯者
84 手紙
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てあるのです!ああ、私はこの手紙を四人に出さなければ不幸になるのでしょうか!?」
 丸尾は泣きながら母親に相談した。
「何を、安心してください、不幸の手紙など出鱈目ザマす。不幸の手紙を出したら、むしろ相手にとってただのご迷惑ザマす。絶対に不幸など訪れないのザマす。ですから、そんな手紙、破って捨てるのがいいザマす」
「かあさま、本当ですか?」
「ええ、ご安心くださいザマす」
「は、はい・・・。ありがとうございます・・・」
 しかし、丸尾はその後も不幸の手紙のせいで勉強の時は集中できず、夜も中々眠る事ができなかった。

 その頃、土橋家ではとし子が母親に不幸の手紙を相談していた。
「お母さん、どうしよう・・・。私、出さないと不幸になるのかな?」
 とし子が母親に藤木から来た手紙を見せながら聞いた。
「大丈夫よ、安心して。そんな事で不幸なんか起きないからないから大丈夫よ」
 とし子の母は娘の頭を撫でながら笑顔で言った。
「うん・・・」

 浜崎家でははまじが不安になって母親に相談していた。
「母ちゃん、俺不幸の手紙が来ちゃったよ!!どーすればいーんだ!?」
「何言ってんだい、馬鹿馬鹿しい!!」
 はまじの母は息子から手紙を取り上げ、丸めてゴミ箱に捨ててしまった。
「不幸なんか起きないよ!安心しな!」
「あ、あー・・・」
 はまじはその後も不幸の手紙が頭から離れなかった。

 さくら家ではまる子が泣きながら家族に相談していた。
 しかし、本気で信じていたのはまる子とその祖父だけで、他の家族は馬鹿馬鹿しいと思い、書いてある事は信じなかった。まる子の父は不幸の手紙を読むと真っ二つに破いた。

 翌日、みどりはウキウキしながら登校していた。
(あ〜、今日は堀さんとスケートしに行く日、もし藤木さんにも会えたら今日の私は幸せだわ!)
 みどりはスケート場に行く時が待ちきれなかった。そして、藤木のスケート姿を想像して、まさに藤木こそ自分にとって最高の王子様だと考えていた。

 藤木は不幸の手紙の事を未だに気にしながら登校していた。そしてその藤木にこれまでにない不幸が待ち構えているのだった。
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