82 氷滑(スケート)
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?」
「う、うん・・・」
「一緒に、滑りましょう」
「う、うん、そうだね・・・」
藤木はルリ子から手を差し出され、共に滑り出した。
「ちょっとスピードを上げてもいいかい?」
「いいわ」
藤木は徐々にスピードを上げた。ルリ子は藤木が滑るスピードに驚愕した。どうやら自分が出せる速度よりもわずかながら速いのだ。ルリ子だけではない。スケート場にいる人々も皆藤木のその滑る速さに驚いていた。
「さすが藤木クン、sketeが得意なだけあるね」
「Wow,great!!」
花輪もマークも藤木に感動していた。
(凄い・・・、藤木君、いつもよりかっこいい・・・)
リリィもいつも卑怯と呼ばれる藤木がここでは別人のように輝いて見えた。彼女は藤木はスケートが得意とは聞いてはいたが、実際にやっている姿を見た事はなかったため、藤木のスケート姿に少し見とれていた。
「藤木クン、だっけ?アナタ、凄い、格好よかったわ」
藤木はルリ子に感心されて、少し照れた。
「ありがとう、でも僕ができるのはこれだけじゃないんだ。よく見ててくれよ」
藤木はルリ子の手を放すとステップを踏み出し、そして7回転のスピンを見せた。そして、ジャンプして3回転した。いつものスケートウェアと自前の靴ではないので動きが少しぎこちなく感じた藤木だが、己の唯一の取り柄をここで披露する事が出来てよかったと思うのだった。さらにスリーターンやトウループジャンプやサルコウジャンプまで、そして締めはスパイラルを披露した。
多くの人々が思わず拍手した。藤木はルリ子の元へと戻る。
「アナタ、凄いわ。本当の、スケーターみたい!」
ルリ子が超絶プレイを見せた藤木を褒め称えた。
「あ、ありがとう・・・」
藤木はルリ子がこんなにスケートをする自分に虜になっていてさらに照れた。
(ルリ子さんか・・・。凄く可愛いな・・・)
藤木はルリ子に心を奪われそうになった。しかし、我に返った。
(い、いかん、僕にはリリィに笹山さんという人がいるんだった・・・!!)
藤木は心変わりをしてはならぬと己を叱った。そこに、花輪ら三人が近づいてきた。
「Hey、藤木クン、凄いprayだったよ。僕らも脱帽さ」
「花輪クン・・・」
「藤木君、かっこよかったわ。私も見惚れちゃったわ」
「リリィ・・・」
藤木はリリィも自分の技を見て一目置いていたのだと感じた。
(リリィも見ていたんだ・・・)
藤木はリリィも見ていてくれた事でやはりここに来たのは無駄ではないとわかり、感動した。
その時、その藤木のスケートの技術にサングラスをかけた一人の男性が魅了されていた。
(なんて子だ・・・。あのセンスはまさに非凡・・・)
その男は藤木達の所に来た。
「君、いいプレイを見せてくれた。君はどこに住ん
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