Knight's & Magic & Carrier 3
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長い時を思索するように、オレとエルは短い時を幻晶機の開発に捧げるだけだ」
「ふむ、少し試させてもらおうか。アンブロシウス、離れておれ」
大老に言われるまま陛下がオレ達から距離を離して壁際まで移動する。その間にエルに小声でいつでも魔術触媒を抜けるように指示を出しておく。そして大老が腕を上げると同時に炎の玉がいくつも浮き上がり、それと同じ数の不可視の風の玉が浮かんでいる。
「炎は任せたぞ、エル!!」
そう言うと同時にポケットからメリケンサック型の魔術触媒を装備し、術式を組み上げる。
「豪熱マシンガンパンチ!!」
肉体強化を全開で発動し、パンチと同時に風の弾丸を撃ち出して大老が生み出した風の玉を撃ち落とす。エルも同じようにウィンチェスターを抜いて、炎の弾丸で大老が生み出した炎の玉を撃ち落とす。
「トール、なんですかその魔術触媒は。普通の杖だったはずでしょう?」
「魔術触媒を複数持ってるんだよ。状況に合わせて一番良いのを使うだけだ」
懐には普通の杖型も入っているし、指輪型や工具型、靴底に仕込んだ鉄板など色々仕込んである。
「なるほど、確かにこれまでの徒人とは異なるようだ。誰ぞ、ある」
大老の言葉に一人の男性エルフが現れる。
「この者たちを奥へ案内せよ。魔力転換炉についての知識を所望だ、望むだけ教えてやれ」
どうやら認められたようだな。さて、夢にまた一歩近づくか。
触媒結晶、血液晶、精霊銀、それに詩か。新たな研究課題が増えたな。
「エル、お前はこれからどうする?」
「僕は専用機の開発に取り掛かります。現状で最高の触媒結晶がありますから」
「ワンオフなら問題はないか。なら錬金術士を借りるぞ、少し実験と研究をしたい」
「何をするんですか?」
「血液晶は触れないが、触媒結晶と詩に関してだな。錬金術士には触媒結晶の調整と言うか、ブレンドを試してみたい。成功すれば安定した高出力の触媒結晶が作れるかもしれん。オレは詩の術式を弄る。アレとオレ達の術式、そして前世の知識があれば無限の可能性が広がる予感がする」
「それは面白そうですね。僕も何かお手伝いしましょうか?」
「なら、幾つか魔力転換炉を作って確保していてくれ。グルンガスト零式の製作を頼む。実験が終わった後はスレイプニールの改良を行う必要があるし、ひよっこ共に経験を積ませないといけないからな」
零式の設計図をエルに渡しておく。自分の手で作れないのが残念だが仕方ない。オレは艦が専門だからな。
「それがありましたね。分かりました。多少弄るかもしれませんが、出来る限りを再現してみせます」
「任せる。それにしても、あと一人ぐらいは同類が欲しいな。手が回
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