Knight's & Magic & Carrier 3
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「いえ、少し気になったことが合ったのですが、思い違いのようでした。それにしても、護衛が離れていて大丈夫なのでしょうか?」
「ほう、やはり気付くか」
「レーダーの術式を編んだ張本人ですから」
この馬車を囲むように10機ほどの魔力転換炉の反応を掴んでいる。吸排気音はほとんど聞こえないが、距離の問題だろう。木々の隙間から一瞬だけ捉えた姿はカルダトアとは別種の機体で、練度もかなりのものだろう。エルも足音と僅かな吸排気音に反応して起き上がり外を確認する。確認が終わると先程までと同じように人の膝を枕に眠りに落ちる。それにちょっとだけイラッとする。
「トルティオネス、お主も少し眠れ。今更その程度で不敬だなどとはもうさん」
「すみませんが、お言葉に甘えさせていただきます」
気を抜いた途端意識が暗転する。どれだけ眠っていたかは分からないが、寝ながらも使用していたレーダーの魔術が異常を起こして飛び起きる。エルが転がり落ちて痛そうにしているがこっちはそれどころじゃない。窓の外を確認すると同時にいつでも魔術触媒を抜けるように構える。外はいつの間にか霧に覆われ、この霧がレーダーをジャミングしているようだ。陛下とオルヴァー所長が慌てていないということは、これが魔力転換炉の生産地を守る結界でもあるのだろう。
「いたたた、トール、何があったんですか?」
「この霧がミノ粉と同じだ。オレのレーダーの魔術がジャミングされている。すごいな、磁気も狂わされてるし、風の流れすら歪だ。バミューダに近いんだろうな。それを魔術で再現している」
「本当だ。レーダーの感度を最低まで下げても無駄みたいですね」
「だろう」
結構強力で対抗するのも馬鹿らしいので抵抗をやめて席に座る。
「そろそろ目的地ですか、オルヴァー所長」
「何故私に?」
「オレとエルがアレだけのものを作りまくってようやく連れて行って貰える場所に貴方がいる。生産地出身なのでしょう。それも、繋ぎ役を担った」
「それだけでは分からないですよ。私も他の代償を払ってここにいるかもしれません」
「ならもう一つ、魔力の質が違うんですよね、貴方。それと模擬戦の時のダーシュの騎操士達もだ。ついでに周りを護衛しているのもそうだな」
「そこまで分かりますか。やはり、貴方達は異質で、面白いですね」
「やりたいことと寿命を考えると色々と手を出しまくる必要があるんでね。魔力転換炉の技術が欲しいのも効率のためだしな」
「ちなみにですが、魔力転換炉の技術を得てどうしますか?」
「とりあえずは超大型化してスレイプニール級に1基で十分にしたい。あまり連結させると負担が大きいことはわかったからな。その次はサイズは小さくして通常の魔力転換炉の3倍ぐらいの大きさ
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