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とある3年4組の卑怯者
81 飛騨高山
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藤木はやはり自分は運が悪いと思った。その時、花輪やマークらのそばに一人の美しい少女がいた。
「和彦、どなた?お友達?」
「ああ、僕のclassmateさ」
(ん?あの子は・・・?)
 藤木はその少女を見てどこかで会ったような気がした。リリィはその少女が花輪を「和彦」と名前で呼んでいることに驚いた。
「は、花輪クン・・・、そ、その子はまさか花輪の彼女(ガールフレンド)・・・!?」
 リリィが震えながら聞いた。花輪の恋人か彼女だと思ったのかもしれない。
「え?ああ。ルリ子の事かい?」
 藤木ははっと思い出した。以前花輪からどうすればモテる男になれるかその秘訣を教えてもらおうとして花輪家に行った時、そのルリ子という少女に会った事がある。そしてその子は・・・。
「ルリ子は僕の同い年の従姉妹(いとこ)さ。アメリカに住んでいるんだけど、たまたま日本に来ているんだ。だから彼女もついでに旅行に連れて行こうと思ったのさ」
「ルリ子と、申します。よろしく、お願いします」
 ルリ子が丁寧に挨拶した。リリィはルリ子が従姉妹と知ってやや安堵した。もし恋人だったらリリィは花輪を諦めてしまったかもしれない。
「君達も旅行かい?」
「うん、僕はリリィに誘われて連れてきてもらっただけだけどね・・・」
 藤木は気落ちしながら言った。
「でもまあ、楽しんでいるんじゃないのかい?その一時は貴重だからね。じゃあ、僕達もここのcroissantを頂こうじゃないか。Papa、Mama、いいかい?」
「ええ、いいわよ、カズちゃん」
 花輪達はクロワッサンを買いに行った。
「花輪クンにあんな綺麗な従姉妹がいたのね」
「うん、そうだね」
 藤木は暗い表情で言った。藤木はリリィはやはり、花輪の方に気持ちを向けていると思い、自分が切なく思った。
「藤木君、どうしたの?」
 リリィが気にかけた。
「いや、なんでもないさ」
 藤木は悟られないよう誤魔化した。

 その後、駅の上の階にある軽食コーナーで麺類を食べた後、下山する事になった。そこには花輪達も乗り合わせる事になった。
「What a very nice view!」
 マークはロープウェイから見える飛弾山脈に感激していた。
「Papaにmamaと一緒に行けて本当に嬉しいよ」
「ハハハ、外国もいいが、日本の旅行もいいものだな。今度はまた別の所に行こうか」
 花輪家の会話は盛り上がっていた。リリィもその輪の中に入っているが藤木は少し離れてリリィはやはり花輪とお似合いだと感じていながら見ていた。
「茂、お前の友達だろ?一緒にいなくていいのか?」
 藤木の父が息子が一人になっているようで気にかけた。
「いや、いいよ、僕は・・・」
 その時、リリィが藤木の方へ来た。
「藤木君もこっちへ来てよ」

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