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とある3年4組の卑怯者
81 飛騨高山
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べたよ」
 藤木は食事が済むと、動けなくなった。
「私も苦しいわ」
 リリィも同じようだった。藤木にとってここでリリィと共に食事できるなんて滅多にできない経験であり、いつも以上に料理が美味しく感じたのだった。

 
 翌日、一行は開業して四、五年の新穂高のロープウェイに乗るつもりでいた。バスで1時間40分。バスに乗っている時間が長いせいか、藤木もリリィも途中で寝てしまった。やっと着いた所で二人は起きた。
「あれがロープウェイね」
「うん、僕も始めてだけどね」
 一行はロープウェイに乗った。リリィも藤木もお互いの両親もロープウェイの窓から見える飛弾山脈の風景に見とれていた。
「日本にもこんな素敵な風景があるのね」
「うん、清水から見える富士山よりも綺麗かもしれないね」
 ロープウェイが鍋平高原に着いた。藤木達は降りると、自然の中ならではの澄んだ空気が漂っていた。
「うわあ、広々としてて綺麗な所ね!」
「イギリスにもこういう所あったのかい?」
 藤木が聞いた。
「ええ、色々な高原があったわ。その多くが観光(リゾート)地になっているわよ」
「へえ、僕もイギリスに行ってみたいなあ」
「おいおい、茂。今度は海外旅行に行きたいなんて無理言うなよ。金が凄くかかるんだからな」
 藤木の父が口を挟んだ。
「う・・・、ただ行ってみたいって言っただけで、今すぐ連れて行ってくれって意味じゃないよ・・・」
 鍋平高原の散策が済むと、第2のロープウェイに乗り、山頂を目指した。
 
 山頂の眺めも美しきものであった。山脈には雪が積もっていた。
「藤木君、あそこにパン屋さんがあるよ!パパ、ママ、いいかな?」
「ハハハ、まったく・・・」
「いいわよ。藤木君もどうぞ?」
「はい、是非頂きます・・・」
 藤木達はパン屋のクロワッサンを食べる事になった。藤木はそのクロワッサンが非常に美味しく感じた。
「うわあ、美味しい!!」
(リリィが美味しさで声を挙げた。
(リリィと一緒にクロワッサン食べるなんて本当に僕はついてるよな・・・。いつもは運が悪い僕でも今日の運はとてもいいよな・・・!)
 藤木は今回は幸運に恵まれていると思っていた。その時、後ろから・・・。
「Hey、そこにいるのはリリィクンに藤木クンじゃないか」
 皆が振り向くと、そこには花輪がいた。ヒデじいに花輪の両親もいる。
「は、花輪クン・・・?」
「花輪クンも来てたの!?」
「ああ、そうさ、僕のpapaとmamaが日本に帰ってきたから記念に旅行しに来たのさ。」
「Hi!Lily,Shigeru!!」
「マーク!」
 アメリカに住む花輪の友人・マークもその場にいた。
(はあ〜、せっかくリリィと二人で入れると思ったのに、花輪クンに会ってしまうだなんて・・・)
 
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