第10話
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監視したそうです。ですが―――取りに来る人物はおらず、いつの間にか私書箱から頼りの束が消えたとのことです。トークを録音した記憶結晶も同じで、忽然と配送用の私書箱に現れ、料金はも支払われるというまさに文字通りの意味で、”魔法”を使っているのでしょうね。」
「………なるほど、そんな経緯だったんですか。」
「情報局は番組自体を潰す事も考えたそうですが、再開を待ってたファンも多く、ファンたちの反感を恐れた事もありますが、わざと泳がせて”蒼の深淵”の居場所を掴む為に番組の再開を許可したとの事です。―――以上です。また、何かあれば連絡します。」
「わざわざ連絡して頂き、ありがとうございます。”アーベントタイム”の件はセレーネやレン教官達にも……?」
「ええ、後で個別でそれぞれ連絡しておきます。―――ああ、一つ伝え忘れていました。ひょっとしたら来週の演習地でフォルデさんとステラさんと会えるかもしれません。お二人は来週、セントアークで領主見習いとしての実習で向かう予定があり、時間が空けばリィンさん達に会いに行くような事も言っていましたから。」
「え………それは本当ですか!?」
「はい。確か来週の”特別カリキュラム”の演習地はセントアーク地方と隣接していましたよね?」
「あ………え、ええ、言われてみれば演習地はセントアーク地方とも隣接していました。―――って、何で教官陣の俺達もようやく今日知った演習地の場所を………それもメンフィル帝国の諜報部隊経由ですか?」
ツーヤの問いかけに戸惑いの表情で頷いたリィンだったが、すぐにツーヤが自分達がようやく今日知ることができた情報を知っている事がおかしい事に気づき、苦笑しながらツーヤに自分達より早く知る事ができた理由を確認した。
「ふふっ、それについてはご想像にお任せします。――――夜分遅くに突然申し訳ありませんでした。お休みなさい、リィンさん。」
リィンの問いかけに対して微笑みながら答えたツーヤが通信を切ると、リィンのARCUSUからはツーヤの映像が消えた。
「…………エマとも手紙でやり取りをしてるけどそんな話は出て来なかったな……それを考えるとエマやセリーヌが知れば、間違いなく驚くだろうな。(………”蒼の深淵”か。敵だった上、エリゼや母さんを狙ったようだけど最後は特務部隊(俺達)に協力してくれた。”彼”の最期も心から哀しみ、怒っていたようだった……それを考えると彼女は根っからの”悪党”じゃなかったかもしれなかったな。ただ、何の為に”アーベントタイム”を再開したのかわからないが………)―――”アーベントタイム”。しばらく定期的に聞いていくか。」
ARCUSUをしまって少しの間考えていたリィンだったが、やがて宿舎へと戻っていった――――
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