0271話『小さい提督と山城』
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前に青葉の部屋を見させてもらった事があるが、資料の束で溢れていたから相当汚い部屋だったという認識である。
だから今回の扶桑姉さまの案も資料の山に埋もれないかと心配になってくる。
「ほんとうに大丈夫でしょうか……?」
「きっと、大丈夫よ。提督の為ならみんなは精力的に動いてくれるから……」
《扶桑さんはなぜかいつもよりどっしりと構えていますね……》
「そんなことは無いわ。ただ、私もこの子と遊べる時間もあったら嬉しいと思うから……」
扶桑姉さまはそれでまたしても慈しみの表情をしながらも小さい提督の頭を撫でている。
グッ……あの子のポジションもかなり羨ましいわね。
私も小さくなったら扶桑姉さまに頭を撫でてもらえるのだろうか……?
そんな夢も見ているうちに小さい提督が目を覚ましたのか寝ぼけ眼のままあくびをしていた。
「提督、おはようございます。よく眠れましたか……?」
「うん。扶桑お姉ちゃんの膝の上ってとっても気持ちいいね」
「うふふ、ありがとうございます」
少しの疎外感を感じた私は小さい提督に話しかけた。
「提督? この後はどうしますか? どこかにでも遊びに行きますか?」
「うーん……それじゃどこかにいこっか。山城お姉ちゃんも付いてきてくれるんでしょ?」
「はい。できれば扶桑姉さまと一緒にいたいですけど今回は提督にご同行します」
「やったー!」
そんな感じで小さい提督と外に出かけることになった。
「それではどこにいきますか。提督?」
「うーん……山城お姉ちゃんの希望とかある……? 私、まだ知らない事の方が多いから」
「そうだったわね。ところで提督はこれを聞くのは少し気が引けるんですけどいつまでこのままでいるつもりなんですか……?」
「そうだね。明石お姉ちゃんには薬を飲むのは私が満足するまでいいと言われちゃったけどいつまでもこのままじゃ元の私が可哀想だから今日遊んだから元に戻る薬を飲むね」
「いいんですね?」
「うん。本来私はなかった存在だから少しでもみんなと遊べるだけでも嬉しいんだ」
まだ幼くて小さいのに、そこまでもう達観しているのですか……?
遠慮しなくてもいいのに……。
この子は本当に提督とは違うのか疑問に感じましたけどそれ以上にこの子の存在が少しだけ尊く感じてきました。
出来るのならこのまま守ってやりたいけど、私が素直に言葉に出すのは恥ずかしいですが好きなのはやっぱり元の提督だから。
「わかったわ。それじゃその間は思う存分遊びましょうか」
「うん!」
それから私と小さい提督は西村艦隊のみんなを集めて遊んだり、間宮でホットなデザートなどを食べたりと小さい提督と思う存分遊んだ。
「提督。満足できましたか?」
「うん!」
小さい提督のそんな笑顔を見られ
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