第七章 C.D.の計略
鏡面の自分
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俺は、あいつらを倒したいんじゃない。
戦ってもらいたいのだ。
だけどあいつら同士じゃ戦わないから、俺自身を相手にしてもらうしかなかっただけだ。
そうだ。
そう、仕方がない。
この戦いは仕方がない。
だが仕方ないとはいえ
「楽しんじゃいけない・・・・ってことはないよな?」
歪む笑み。
物事は楽しんでやった方がいい。
その方が、進み具合も上がるというモノ。
その時、彼の何かがミラーワールド内の侵入者を感知した。
「仕方がない、ってことで」
ギギ・・・・
重い扉の音がする。
頭の中の耳鳴りとは別に、痛みにも似た重い音が脳内を揺さぶっていた。
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「おい城戸。大丈夫なのか」
「へーっきだって!観鈴ちゃんにも触ってもらったからな!!」
「おい、その発言やばいだろ」
「ん?」
「そいつに言ってもしょうがないでしょ。バカなんだし」
「お相手のいない北岡さんは口が悪いですねェー?」
「おまっ、それまだ言うかこのこいつ!!!」
ミラーワールド内。
昨晩の戦いから一夜明け、皆に止められながらも飛び出してきた城戸、蓮、そして引っ張り出された北岡の変身した三人のライダーが、スパイズを探してうろついていた。
相手は戦いを求めるライダー。
こうして固まっていれば、必ず相手から現れるはず。
「城戸。お前の言う敵の能力はわかった。だが」
「相手のカード対策。あれで本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だって!北岡も一回やったことあんだろ?」
「でもお前の考えることだからなぁ・・・・」
「おい!それはないんじゃない!?こっちだってなぁ」
「お揃い、で」
「「「―――・・・・!!!」」」
漫才じみた三人の会話が止まる。
声のした方向には、人影が。
周囲に並ぶのは、土管、鉄骨、重機が、整理されて並ぶ工事現場―――の道具が並ぶ地帯。
ブルーシートに覆われていたり、剥き出しだったりするそれらが並べられている。
その陰から現れた、高円寺健人。
その後ろには、従者のように付き従うディスパイダーが。
「出てきやがったな!!」
「戦いに積極的になってくれて感謝する。これで俺の研究も進みそうだよ」
「違う!!俺は、戦いを止めに来たんだ!!」
叫ぶ城戸。昔の彼とは違う。
今の彼の中には、しっかりとした「戦いを止める」という願いがある。
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