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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
スパイズサバイブ
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って、俺は・・・戦いたい?違う。俺は、あくまで研究の為・・・・」


ん?んん?と、城戸を持ち上げたまま首を傾げるスパイズ。
次第に腕も降りていき、城戸の身体が地面に降ろされる。

その城戸を隊員が回収し、そしてスパイズは尚もヨロヨロとその場を歩き



「む・・・う・・・・?」

シュゥン



そのまま、ガラスの中に消えてしまった。




「アイツ・・・・いったいどうして・・・・・?」

「城戸さん!!目が覚めましたか!?」

「いっつつ・・・」

ひとまずスパイズが去り、落ち着いた現場で翼刀が城戸へと近寄る。
おー、翼刀君、と言いながらも、城戸の表情は重い。


「いってぇなぁ・・・・ったく、あー、やべー・・・・」

「ど、どうしたんすか!?」

城戸の表情、そして戦いの様子から、何か大変なことが起こっているのではないかと思案する翼刀。
思いつめた表情で聞くが、真司の声はあまりにも気が抜けており。



「記事完全に落ちた。編集長に殺される・・・・・・」




戦いの事よりも、そちらが気になってしまう城戸であった。





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「まさか・・・・戦闘衝動に取り付かれるとは・・・・」

コツコツと、誰もいないミラーワールドの中を歩く白衣の男。
言わなくともわかるだろうが、高円寺だ。


その彼は、勝ったというのにもかかわらず浮かない顔をしていた。



彼にとって戦闘はあくまでも「ミラーワールドを活性化させるため」のもの。

戦闘そのものを楽しむ必要はない。
定期的に戦いを吹っ掛け、それによってミラーワールドを鎮静化させないためのものだ。



だというのに、途中から戦闘・・・・否、相手をぶち殺すことを考えていた。
殺してしまえば、戦いは終わりだ。それでは意味がない。



「何故・・・・と聞くのは野暮なこと、か」

ヒタリ、と街中の壁に接地された、身だしなみ用の鏡に手を当てて見つめる。

そこに映る自分はただ一人だ。
そう、あの瞬間に、自分たちは一つになった。


「この衝動は、お前のものなのか?」



高円寺健人は考える。



あれは――――そう。
数年前、あの研究室の前を通り過ぎた時のことである。







to be continued

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