第9話
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〜アインヘル小要塞〜
「お疲れ様ですっ、リィン教官!」
リィン達がアインヘル小要塞に到着するとシュミット博士の傍にいたティータがリィン達に迎えの言葉をかけた。
「ああ、お疲れだ。すみません、ちょっと遅れてしまったみたいで。」
「やっほー、シュミット爺ちゃん!久しぶりだねー、元気だった?」
「相変わらずやかましい小娘だ……爺ちゃん呼ばわりは止めるがいい。………黒兎も一緒か。」
ミリアムに声をかけられたシュミット博士は呆れた表情で指摘した後アルティナに視線を向けた。
「はい。……何か問題が?」
「いや、テストに支障はない。……むしろレベルをもう1段階上げてもよかったか。」
アルティナの問いかけに対して答えたシュミット博士は不穏な言葉を口にした。
「早速ですが呼び出した理由を教えてもらえませんか?彼女もいる以上、何となく察してはいますが。」
「あ、あはは……多分想像通りだと思います。」
「わかっているながら話が早い。―――付いて来るがいい。」
そしてリィン達は小要塞の中へと入って行った。
「ほえ〜、中はこうなってるんだ。」
「………入学時のテスト以来ですね。」
ミリアムが興味ありげな表情で小要塞内を見回している中アルティナは入学式の時の事を思い出していた。
「へえ、そんな事をやってたんだ?」
アルティナの言葉を聞いたミリアムは目を丸くしてアルティナを見つめた。
「―――要するに、仄めかしていた”続き”をやれという事ですか?」
一方シュミット博士の目的を既に悟っていたリィンはシュミット博士に問いかけた。
「その通り。半月前にお前達が挑んだのは小手調べの”LV0”……今回は実戦向きに構成した”LV1”になっている。前回と同程度と侮っていたら最悪、命にすら関わるだろう。」
「……”魔煌兵”すら使われたあの時よりも……?」
「へえ……なんか面白そう!」
「ま、待ってください!さすがにそこまでのものにいきなり挑戦しろというのは……!」
シュミット博士の説明を聞いて顔色を変えたアルティは僅かに驚きの表情をし、ミリアムは興味ありげな表情をし、リィンは信じられない表情で反論したが
「参加の拒否は自由だ。だが、この実戦テストに”灰色の騎士”が参加すること………それが私が分校へとの就任を引き受けた条件の一つでもある。反故にするというなら―――私が分校に留まる理由は無くなるな。」
「なっ………」
シュミット博士の答えを聞くと絶句した。
「あはは、超ワガママだねー。」
「こ、困りますよ博士〜!機甲兵教練だって控えてますし………今、博士がいなくなったら……!」
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