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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第五十四話 エル・ファシル真の英雄・後編
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     アーサー・リンチ

 ヤン中尉が俺たちを囮にしてから4ヶ月か、300万人は無事逃げおせたようだな。
俺たちは捕虜だ、しかしアルタイル星系とはな、
アーレ・ハイネセンが育ち長征一万光年の出発点じゃないか、
小惑星帯にはイオン・ファゼカス号が眠っているはずだな。

ある意味俺には合っている場所かも知れん、
妻と娘はどうしているだろうか。
皆済まんな巻き込んでしまって、
此なら旗艦だけで逃げ回り捕まった方が皆を家族の元へ帰せたのに俺のミスだ。
ん誰か来たようだな、尋問か?

「リンチ少将、面会の方が来ています」
はぁ俺に面会ってだれだ?
「リンチ少将ですね小官はアルタイル星系警備艦隊司令ボルヒャルト少将です」

「で少将閣下が何の用だい」
「貴官達9853名をヴァルハラ星系へ移送します、
まず貴官以下士官327名を移送しその後輸送船で残留人員を移送します」

「なんだい見せ物として貴族にでも曝すのかい」
「詳しいことは小官には知らせられておりません、
只移送しろと言う命令が来ただけです」

「んで何時移送だい?」
「今からです」
「そりゃまた忙しいことだ」

まああれだなどうせ捨てた命だ鬼が出るか蛇が出るか判らんがいってみるかね。


帝国暦479年12月15日

■ヴァルハラ星系 帝国軍捕虜収容所

リンチ少将以下主立った士官327人がヴァルハラ星系にある収容所へと到着した。
高速戦艦を使い僅か5日で到着したのである、
タラップを降りて焦燥としているリンチ少将のもとに、
帝国軍将官が出迎えに来た。

「リンチ少将閣下ですな、将官はケッセリング中将と申します、
皇帝陛下の筆頭侍従武官をしております、
皇帝陛下が閣下の民も思う気持ちに感動なされ格別の思し召しを頂きました」

焦燥し絶望していた顔が少し顔色が良くなってきた。
「皇帝陛下は閣下の『自分の命はどうなっても良いから民間人の命を助けてくれ』との発言に大変感動し
『敵ながら騎士道精神天晴れである』と仰いました、
皇帝陛下は『勇者には勇者なりの待遇をせよと』仰せになりました」

暫し考えながら。
「そのようなことを・・・・」
「閣下貴官の古里ではヤン中尉という者がエル・ファシルの英雄と言われています」

「と言う事は民間人は無事に逃げられた訳か」
「我々にしては残念ですが、その通りです」
「そうか良かった」

「ただ残念ながら閣下のご家族は気の毒なことです」
「気の毒とは?家族は妻と娘はどうなった!」
「ご家族は家に誹謗中傷投石され何処となく姿を消しているそうです」

「確かに見た目、俺は敵前逃亡だ、
しかし家族にまで危害を加える必要は無いだろう!」
「同盟政府と軍は貴官が悪逆
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