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ドリトル先生と春の花達
第十二幕その八

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「日笠さんも真剣よね」
「その真剣な気持ち適うべきだよ」
 ホワイティは動物の皆の気持ちを代弁しました。
「本当にね」
「全くだね」
「だから僕達も先生の背中押したし」
 オシツオサレツは自分達の動きをお話しました。
「日笠さんを見てね」
「そうしないといけないって思ってね」
「こうした時先生ってお酒とお弁当と桜ばかりなんだよね」 
 チーチーは腕を組んで述べました。
「お喋りも楽しむけれど」
「お花見の楽しみ方だけれど」
「それがメインだとね」
 チープサイドの家族も困るのです。
「日笠さんが気の毒だから」
「あんなに頑張ってるのに」
「先生って鈍いし自分はもてないって信じ込んでいて」
 老馬は先生の問題点を指摘します。
「だから駄目なんだよね」
「先生はね」
 王子も困った笑顔で言うのでした、皆にご自身のシェフが作ってくれたお弁当を出しながらです。
「昔からだよね」
「全くだよね」
「こうしたことには鈍くて」
「気付かなくて」
「どうにもならないから」
「先生みたいないい人はいないよ」
 紳士で人格者で。王子もいつもお世話になっています。
「そんな人だから」
「見る人は見てね」
「好きになるよね」
「というかしっかりした人は気付くから」
「先生は素晴らしい人だって」
「それでね」
「そうした人は先生が好きになるけれど」
 また言う王子でした。
「それでもね」
「自分で思い込んでるから」
「もてないってね」
「それじゃあどうしようもないよ」
「自分でそう思ってるなら」
「そこが問題なんだよ」
 本当にというのです。
「あの人はね、ただね」
「うん、日笠さんならね」
「何時かって思えるわ」
「今度こそは」
「そう思えるよ」
「僕もだよ」
 本当にと言う王子でした。
「日笠さんならだよ」
「その通りだね」
「まあ王子はその心配はなさそうだね」
「もうお相手いるとか?」
「そうじゃないの?」
「まあその話はね」
 王子も否定せずに答えます。
「決まってるしね」
「その辺り次の王様だからね」
「しっかりと決まるよね」
「そうなるよね」
「そうだよ、それで奥さんともね」
 こうも言う王子でした、ここで桜のお花を見ます。四方が満開の多くの桜達に囲まれています。
 その桜達を見てです、王子は皆に言うのでした。
「このお花を見たいね」
「桜をだね」
「是非だね」
「見たいんだね」
「一緒に」
「そう思うよ、僕の国はね」
 王子のお国はといいますと。
「桜は咲かないから」
「じゃあ日本にいる時だけだね」
「こうして観られるのは」
「そうなんだね」
「イギリスとかでも観られるけれど」
 それでもというのです。
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