第七話
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ー俺も昔やらされたな。そこそこ深い極寒の川に厚着のまんまで放り込まれたわ。」
「……私が知るのよりも過酷だな。父上なら出来そうだが。」
「≪光の剣匠≫か。」
≪光の剣匠≫。本名はヴィクター・S・アルゼイド。レグラム領の現当主でありヴァンダール流と並ぶ帝国剣技、アルゼイド流を極めた達人。そして現帝国内において個人の武であれば五指に入る人物でありその実力は≪剣聖≫も称号を得たカイムすら凌ぐであろう。
「あの人なら出来ても不思議じゃないわな。しかし水泳は得意なのか?」
「私の故郷≪レグラム≫は湖畔にある町だからな。寒中水泳も鍛錬の為に日常的にやっていたから少しくらいはサマになるだろう。」
「俺はまあ、さっき言った状態で水生の魔獣に追い掛け回されたから得意だが好きじゃないな。」
「……本当に過酷だな。」
「自分でも引く。しかし武術系の部活じゃないのはそっちの鍛錬の為か?」
「それもあるが前に父上に言われた事がある。『時には、剣を手放す事で得られるものがある』らしい。前から学院に入ったら実戦してみようと思っていてな。」
「成る程、流石は≪光の剣匠≫か。俺も剣の方で行き詰ったときに師匠に言われて八葉を習い終えたら驚くほどあっさりと壁を越えたことがある。」
「……そなたは通常の剣も使えたのか?聞いていなかったな。」
(あ、やべ)
剣の話をした瞬間ラウラの目がギラリと光った気がした。これはマズイと思いカイムは本来の話に戻す事にした。
「そ、それはそれとしてだ。つい話し込んでしまったがこっちの用も聞いて貰ってもいいか?」
「ふむ、なんだ?」
カイムはここ一年で旧校舎から不思議な報告が相次いで来る為調べる依頼を受けた事、これはZ組全体への依頼であり可能な限り皆で協力して行う事、あと確認していないのがラウラだけである事を説明した。
「そうであったか、手間を掛けたな。……しかし申し訳ないが今日は抜けられない、来月予定が無ければ是非誘ってくれ。」
「ああ、分かった。じゃあな。」
「その前にカイム。」
「うん?」
「いずれ刀だけでなく剣でも手合わせしてもらいたいものだな?」
「……機会があったらな。」
話を戻し説明をなるべく詳しく長く行い忘れさせたと思っていたがそんなことは無かったらしい。ラウラの質問に曖昧に答えカイムはその場を後にし、寮に向かった。寮に入ると既にガイウスも揃っていたので三人に謝罪した後、急ぎめで昼食を作りそれを四人で食べ終えた後に旧校舎に向かった。
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