ソードアート・オンライン~剣の世界~
2章 生き様
10話 ある日のこと
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が、理解はできない。
アスナはあの時、そう思っていたからリアの忠告を無視し、夜の狩りを行っていたのだろう。死んでも別に良い、死ぬ瞬間まで自分でありたいと、そう思ったからこそ。
「だけど、今のアスナは“本当の自分”なのかな…」
「……」
沈黙が流れる。聞こえるのは、仮想世界の風が、仮想の草を揺らす草ずれの音と、2人の装備が鳴らす微かな金属音の身だ。そのまま沈黙が続き、転移門まであと少しという時だった。
「ねぇ、ツカサ君、ボス部屋行こうよ」
「…はい?」
長い沈黙の後のリアが立ち止まり、突拍子もない発言を落とす。ツカサは少し行ったところで止まり、リアのほうを振り返る。
「だから、ボス部屋行こう?」
「いや、それは聞こえたけどさ…本気で?」
「本気本気」
至極真面目な顔をしてリアは頷く。ツカサは少し硬直した後に、後頭部の髪を左手で梳いた。ツカサが悩むときの癖だ。数秒間じっと何かを天平にかけていたようだったが、やがて口を開いた。もちろん、リアの喜ぶ方の、だ。
「…情報もあるし、まあ面白そうだし、行ってみるか」
「よし!決まり!レイドが来ちゃうし、超特急で迷宮区抜けよう!」
「ああ!」
…基本的にツカサはリアに似たり寄ったりで、かつリアの押しには弱いのである。
迷宮区のモンスターたちを駆け抜けることで一瞬でかわし、タゲをとられる前に駆け抜けた。だが、それでも追いついてくる鳥型モンスター“クリスタルバード”は、ツカサの槍によって一瞬にして切り裂かれる。
「にしても、ハーフポイントを前にやたらとボス、強すぎじゃないか?」
戦闘の合間にツカサがそうつぶやく。
「仏教では、4は“死”、9は“苦しみ”にあてはめられるからね。苦しんで死ねってことじゃない?まぁ、基本的に西洋似せのSAOにそんな考えがあるかどうかはわからないけど」
「なるほど、そういう意味もあるのか。苦しみとして状態異常バンバンってわけな…94層はさらにすごそうだな」
「考えたくないね」
リアの顔には、思わず猟奇的な笑みが浮かぶ。言葉と中身が正反対なリアだった。
そんなこんなで2人がボスの前に到着したのは、小さな村を出発してから20分だった、異常な速さだ。
「デバフと状態異常に気をつけろよ」
「了解!じゃ、行きますか!」
これから立った2人でボス戦だというのに、2人の声は以上といえるほどに明るい。2人はそれぞれの得物を構え、挑むプレイヤーを待ち受けているジオクロウラーに突っ込んだ。
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―
リアたちの乱入で少々乱れたが、結局アスナの案を
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