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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
外道の執行
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いっても全て取り戻すのはまだ先の話。今は、今必要な感情だけを取り戻す。

そうして、感情を取り戻して目の前にいる女神をどうするか吟味する。ギリシア神群から道案内に出されたものから聞いたところによれば、目の前にいる女神は箱庭にて不死を与えられたらしい。だとすれば、殺すのは容易ではない。そもそも可能な限り限界まで苦しめるため、その方法を考えるために感情を取り戻したのだからサクッと殺すわけにもいかない。さてどうしたものかと考え・・・一つの結論に至った。

「我が百鬼より来たれ、鬼」

奥義の発動。その身に宿る檻から、『鬼』などいう大雑把なくくりで異形が解放される。そうして現れるのは、まさに人がイメージし、様々な物語にて悪役として登場させた鬼であった。
筋骨隆々、角と牙を持つ人間の敵。かつて鬼道の一族が例えられ、未だにその名に一文字を刻む存在。もっともありふれているが故に数も尋常ではない鬼の軍勢が、限定的に開放された。

「犯していいのかい、我が主?」

欠片も主とは思っていない声の主に対し、一輝は首を振る。

「却下だ。感情が戻ってないころならともかく、今は不快だ」

女が強姦されているのを見るのが不快なのではなく、それでは殺すことが出来ないことが不快。無駄なことに時間を浪費するのを、彼は許容できなかった。そうでなくとも、それでは相手の心を折ることができない。
であれば、殺すことが出来る手段であればいいといっているわけであり。

「なら、どのように?」
「ハッ、決まってる。―――喰え。女神の踊り食いだ、そう言うの好きだろ?」



 ========



その言葉と同時、鬼の一人が飛び出した。これまでくらってきたモノと比べるまでもなく極上のエサがそこにあり、好きなだけ喰らえるとわかった以上躊躇う理由がない。砕かれた足へと手をかけ、一思いに引きちぎる。クチュクチュと、すぐ後ろを追っていた鬼が断面より滴る血を吸い、内モモへと舌を伸ばす。色情からではない。そこの肉が柔で美味であると知っているからだ。食いちぎり、噴き出す血で喉を潤す。

膝から下を引きちぎった鬼は断面よりこぼれる血を飲み干したのち、骨付きの肉を喰らう要領で・・・否、事実その通りの動作でもって女神の肉を喰らう。生肉特有の弾力、それを自前の牙で食いちぎり、嚥下する。そこまで時が過ぎると、残りの鬼も殺到した。足へ、腕へ、乳房へ、臀部へ。暴れる柔肉の全てへ手を伸ばし、抑え込み、我先にと口を近づける。舌で触れ、次の瞬間、グチュリ、と生音が。肉を喰らう音、血を啜る音、女神の放つ悲鳴で奏でられる三重奏。次の瞬間、そこに歓声が加わった。

ギリシア神群より不死を与えられたその体は、正しくその祝福(呪い)を発揮する。修復されてゆく体。今間違いなく喰われた体は
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