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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
正義の執行 A
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けた十六夜に接近、腹部を正確に打ち抜き、続けて放った頭部への攻撃は防がれた。そこで攻撃を止め、しゃがみ転がる。耀も何もせずにいるわけではない。隙をついて攻撃しようとしたものの、簡単に避けられた。

「おや、これは・・・」
「まあ、ただやられるままなわけねえだろ」

と、転がった際で腕に違和感を感じる。見ればそこにはワイヤーのようなものが刺さった針が。何かと思ってみていると、腕の中に違和感。刺さっていたものが広がった感覚で、遺物が固定されたのだと察する。瞬間、ワイヤー経由で引っ張られ振り回される。

「これは・・・また贅沢なワイヤーですね」

ワイヤーの素材は神珍鉄。十六夜の意志に従って伸縮するその素材は、持ち主の怪力もあって女神を難なく振り回したのち大木に叩きつけられる。
何かされる前にすぐさまそれに手を突っ込み、取り出した筒状の何かにワイヤーを固定するとスイッチをオン。ミニロケット的な物が発射され、女神を樹に固定した。当然それでは終わらず、神珍鉄もまた縮み締め付ける。薄着と女神のスタイルから煽情的にすらなったが、この場にそれを気にする者はいない。十六夜が固定したそれに対して、耀はすでに肉薄していた。

生命の目録。これまでギフトによって採取してきた生物から力を持つものを可能な限り選択。それだけではなく半透明の腕も具現し、全て重ねて殴りつける。当然一撃で樹は根元からへし折れ、吹き飛ぶ。だが転がったとしてもその身が樹に縛りつけられている以上動けない。これから行おうとしているのは、身動きの取れない相手に対するリンチだ。卑怯だとかそんなクソどうでもいいことは気にしない。そんなことを考えて勝てない相手であることは理解している。
だがここで、女神も動く。自身を通して衝撃を受けた樹はもろくなっており、身動きの取れない状態で与えた衝撃程度でも崩れる。ほんの一瞬緩くなった拘束を抜け出し、先に近づいてきた耀を剣の柄で殴り飛ばす。こちらも十分に脅威だ。しかし、この後向かってくる相手ほどではない。先に倒すべきは逆廻十六夜である。思いっきり本拠の瓦礫に押し潰されているのでもしかすると復帰は無いかもしれないが、まあそれならそれでよい。続けて近づいてきた十六夜の拳を避け、こちらも拳で対処する。効果の無い剣はしまい、十六夜の拳を肘で叩き落としてから膝を腹に打ち込む。当然、全力だ。ユースティティア程度の全力で壊れる程柔な体ではないため、ためらいはない。殺さず、可能なら考えを改めさせ、それができないのなら執行する間だけ大人しくしてもらえればいい。

されど、相手は人間の頂点レベルに存在する。その身に宿るギフトは驚異的なまでの身体能力。神霊であってもユースティティアの身体能力ではその体を壊すことが出来るほどのものではない。故にここから行われるのは泥臭い殴り合い・・
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