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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
正義の執行 @
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「不可能です!黒ウサギの審判権限は『魔王へ対抗する』ための手段!相手が絶対の正義としてある以上、発動することは不可能です!」
「了解。んじゃ臨時リーダーとして決めるぞ。時間はないから文句は無しだ」

ギフトカードから黒のロングコートをはじめとする各種装備を取り出し身に着けながら、方針を決定する。

「黒ウサギ、今の音でさすがにガキどもが混乱してるはずだ。そいつらを落ち着かせて避難。求道丸とかグリーとかにも手伝わせろ。飛鳥はアルマとディーンつかってその護衛。何が飛んでくか分からねえ。避難先は“サウザンドアイス”の蛟劉のとこ」

事態はそれなりに大きい。万が一に備え、前もって階層支配者をこちら側につけるか、そうでなくとも事情だけは知らせておくべきだ。

「んで、俺と耀でアイツを・・・」

言うべきか、一瞬悩んだ。だが、先日決めたところだ。
逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀。この三名でいずれ、鬼道一輝を倒すのだと。
であれば、この程度は乗り越えてもらわなければ困る。この行為程度は、受け入れられなければならない。
レティシアを縛る鎖を力づくで破壊、狙われている以上は残すわけにもいかないため気絶させてから黒ウサギへ投げつけ、その言葉を告げる。

「アイツを、殺す」
『了解!』

飛鳥と黒ウサギは、応接間をでて廊下を走る。何かあったと子供たちが察したのなら、その場で混乱するか、冷静に避難するか、頼れる者の元へ向かうか。であれば廊下を通って向かうのがベスト。
そして、十六夜と耀は。先ほど開いた大穴から飛び降りる。汚い話、一輝のポケットマネーを含めればもう一回建物を立て直すくらいは余裕で出来る。避難さえ終われば、本拠内で暴れることに躊躇う必要はない。

「・・・同士をかばう気持ちは分かります。故に、それを悪だとはしません。これ以降の抵抗についても、それは同様です」
「へぇ、そいつはありがたいね。だが、あまりにも緩すぎないか、女神サマ?」
「貴方の国でもあったと思います。自らの手で自らの罪の証拠を消すことは罪にならず、また親族が罪人をかくまうことも罪にはならない。(わたくし)にも、それなりに人情はあります」
「・・・だったら、見逃してくれてもいいと思うんだけど」

耀の提案に対して、女神は間髪入れずに否定した。

「それはできません。また、罪には問いませんが、抵抗するのであればある程度傷つくことは覚悟してください」

その言葉を合図とし。二人は不敬にも女神へと牙をむく。

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