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住職は宇宙人
第四章

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「しかしです」
「仏門をよく理解しておられ」
「深く帰依されていますし」
「お人柄も立派ですね」
「それならですね」
「住職に相応しいです」 
 それだけの人物だというのだ。
「ですから」
「決められたのですね」
「そうされたのですね」
「そうです、ではこれから和解を宜しくお願いします」
 和尚は彼等に笑顔で応えた、そしてだった。
 和解は住職になり寺を任されそれからもだった。
 仏門を歩み立派な僧侶そして住職として知られ老師の称号も授けられた。その彼が年老いた時にだ。
 人間のジャーナリストが彼を取材に来てだ、些光寺の客室で話を聞いた。
「仏門に入られた理由は」
「はい、最初に地球に来た時に奈良の大仏を観まして」
 今では訛りなく日本語を喋っていた。
「深く感銘を受け」
「そしてですか」
「出家しました」
 そうして仏門に入ったというのだ。
「そして今は御仏のお導きで」
「このお寺におられますか」
「はい」
 そうだとだ、和解はジャーナリストに淀みなく答えた。
「そうです」
「修行中、そしてこれまで苦労されたことは」
「拙僧がグレイ星人だからですね」
「何かありましたか」
「いえ、御仏のお導きがあったので」
 だからだというのだ。
「何も」
「そうですか」
「こうしておられるのも御仏と皆さんのお導き」
 そうしたものがあってというのだ。
「感謝しています」
「そうですか」
「はい、御仏の教えはです」
 僧侶としても言うのだった。
「まことに有り難きことです」
「そう思われていますか」
「これまでも今からもです」
 こう答える和解だった、そしてジャーナリストは彼への取材を終えてそのうえで取材の文章の最後にこう書いた。仏門に生まれそれは星の違いであっても変わりがないとだ。


住職は宇宙人   完


                2017・6・22
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