第二章
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「空手はじめてな」
「それでか」
「必死に努力して強くなったらしいな」
「そうしたことがあったんだな」
「それで自分をいじめていた奴全員病院送りにしたらしいんだよ」
「おい、それおかしいだろ」
その話を聞いてだ、城太郎はすぐに言った。
「空手って人を傷付けるものじゃないだろ」
「活人だっていうんだな」
「そうだろ」
そちらに使うものだとだ、城太郎は顔を顰めさせて言った。
「じゃあやり返す為に空手はじめたのかよ」
「そうみたいだな」
「それおかしいだろ」
「おかしくてもあいつはそうしてな」
仕返しをする為に空手をはじめて強くなってというのだ。
「今も強くなってな」
「後輩の子いじめてるのかよ」
「そうだよ、クラスでだってそうだろ」
「ああ、自分より喧嘩とか弱そうだとな」
「きついだろ、というかな」
「あいつ空手三段だからな」
大会では全国でもベストフォーまで至っている。
「あいつより強い奴いないだろ」
「だからクラス全員にもか」
「きついだろ」
「俺にもな」
「そういう奴なんだよ」
まさにというのだ。
「正直どうしようもない奴なんだよ」
「いじめっ子ってことか」
「ああ、もうあいつのことはな」
「気にするなっていうんだな」
「気にしたって仕方ないだろ」
それこそというのだ。
「ああした奴なんだからな」
「そういうことでいいのかよ」
「じゃあ御前あいつ何とか出来るのかよ」
その詩乃をとだ、彼女の過去を話したクラスメイトは城太郎に対してかなり真剣な顔で問うた。
「一体」
「それはな」
「無理だろ」
こう言ったのだった。
「あんな奴はな」
「放っておくしかないんだな」
「あいつはもうな」
それこそというのだ。
「あのまま一人でいてそしてな」
「そして?」
「えらい目に遭うさ」
「自業自得かよ」
「人間悪いことをしたら悪いことが帰ってくるだろ」
そのクラスメイト花京院達夫はこう城太郎に言った、眼鏡をかけて四角い顔とスポーツ刈りが目立つ大柄な少年だ、部活は柔道部だ。
「だからな」
「それでか」
「あいつは何時か偉い目に遭うさ」
「そうなるか?あいつ強いだろ」
「空手はな」
ここでこう言った達夫だった。
「それはな」
「三段だろ」
「今話した通りな」
「だったら相当強いだろ」
「だから空手はな、けれどな」
「空手だけっていうのかよ」
「そうだよ、うちの部長もあいつのこと知ってるけれどな」
柔道部部長もというのだ。
「枢は弱いってな」
「そう言ってたんだな」
「そうなんだよ」
「弱いか?あいつが」
「あんな弱い奴いないって言ってたよ」
そうだったというのだ。
「だからな」
「報いがあるって言ったよな
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