第一章
[2/2]
[9]前 最初 [2]次話
歌ってくれというのね」
「そうしてくれるかな」
ピアノとジョルジュを交互に見て彼女に願う。
「また一曲演奏するから」
「いえ」
だがジョルジュはショパンのその願いに首を横に振った。
「今日はもうね」
「歌いたくないの?」
「気分じゃないわ」
だからだというのだ。
「貴方には悪いけれどね」
「そうなんだ」
「私は私よ」
ショパンにもこの言葉を言うのだった。
「私の歌いたい時に歌ってね」
「恋をしたい時にするんだね」
「恋は鳥よ」
ジョルジュは微笑んでショパンに言う。
「気ままに飛ぶものなのよ」
「だから今日はもう歌わないんだね」
「そうよ。ベッドに行きたいけれどいいかしら」
「僕は暫くここにいるよ」
身体の弱いショパンはベッドよりもピアノを選んだ。
「心を癒したいからね」
「そうするのね」
「また明日ね」
明日自分のピアノでジョルジュに歌って欲しいというのだ。
[9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ