第六章
[8]前話
「気にしたら負けね」
「だから一九九九年過ぎても人類はいるのよ」
「その時の本何年か後で読んだら外れてばかりで」
「気にしないことよ、それとね」
「それと?」
「人類滅亡とか喚いている人はね」
以前自分が挙げた漫画の主人公達についてだ、早百合は由利香に話した。
「相手にしないこと」
「電波だから?」
「本物のそれだから」
破滅願望が強烈な狂人の類だというのだ。
「気にしたら負けよ」
「そうなのね」
「何故か精神病院に隔離されていない人達だから」
常に人類滅亡への序曲だの何とか委員会だの人類洗脳計画だの他の知的生命体だの喚いていればそう思われるのも当然だろう。
「気にしないことよ」
「放送禁止用語ってことね」
「酔った時のお父さんより酷いから」
まだ仕事から帰っていない父は笑い上戸で酔うととにかく笑って騒がしいがその彼よりもというのだ。
「騒がしさは」
「お父さんおかしくはないからね」
「だからね」
それでというのだ。
「もう気にしないことよ」
「予言はそういうものなのね」
「そうよ」
まさにといういのだ。
「予言の類はね」
「そうなのね」
「そうよ、そういうことでこれから遊ぶといいわ」
予言、それをだ。
「それでいいのよ、飽きたら止める」
「本当に遊びね」
「カルト教団の教祖みたいにならないことよ」
そうした連中が一生懸命に読んで言って自作自演までしでかした本はそうしたものに過ぎないというのだ。
「いいわね」
「わかったわ、あとね」
「あと?」
「最近胸にポッチ付けてサポート穿いて体育の授業受けてるけれど」
由利香は母にこのことも話した。
「そうしたら言われなくなったわ」
「乳首とかショーツのライン見えてたのね」
「何か私そうしたスタイルらしくて」
あまりにもスタイルがよくてだ。
「そうなっていたから」
「いいことよ、ユリちゃん発育よ過ぎるから」
母親から見てもだ。
「そうした方がいいわ」
「これも予言されてたとか言われたわ」
「そうなのね」
「それでそうする様にしたわ」
ポッチを付けてサポートを穿く様にしたというのだ。
「お陰で言われなくなったわ」
「いいことね、けれどそれは予言以前にね」
「気をつけていくことね」
「そうよ、これからもそうしたことは意識していきなさい」
「わかったわ」
母の言葉に確かな顔で頷いた、そうして海老フライを箸に取ってそれをおかずに御飯を食べたのだった。
作った予言 完
2017・6・21
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