第三章
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「安心して」
「じゃあ俺はこっちをするから」
「そっちは任せるわ」
「終わったらそっちに行くから」
「それじゃあ」
喧嘩もせず普通にやり取りをしてだった。
そのうえで作業をしていく、周りはそんな彼等を見て唖然となった。それで口々に言うのだった。
「どういうこと?」
「喧嘩しないなんて」
「あの二人が」
「生徒会室でいつも言い合ってるのに」
「それが」
どうしてというのだ。
「何で?」
「何であんなに普通?」
「ちゃんと連携してて」
「しかもやり取りも普通で」
「仲悪くないし」
「特に仲良くもないけれど」
「それでもね」
「普通じゃない」
普通に作業にあたっているというのだ。
「どうしてなんだよ」
「生徒会室でのあの仲の悪さが嘘みたい」
「いつも言い合っていがみ合って」
「仲裁も調整も大変なのに」
その幸季と葵を見て信じられないといった顔になっていた、だが二人はそんな周りをよそにだった。
見事とすら言える連携でテキパキと作業をしてそのうえで彼等のやるべきことを終わらせた、するとすぐにだ。
幸季からだ、葵にこう言った。
「俺達の分は終わったから」
「他のところに行って」
「そっちも終わらせよう」
「ええ、そうしましょう」
葵も頷いてそしてだった。
二人は先生に話して他のところの手伝いに行った、そしてそこでも見事な連携を見せていた。
作業が終わってだ、二人以外の生徒会の面々も各クラスの代表達も驚きを隠せないままだった。それでだ。
彼等の間でだ、作業用のジャージ姿のまま話した。皆これは一体どういうことかという顔になっている。
「夢?」
「ほっぺた抓ったら痛いわよ」
一人が実際に自分の頬を抓ってから答えた。
「だから夢じゃないわよ」
「確かに」
その夢かと言った書記も自分の頬を抓って言った。
「痛いね」
「だから夢じゃないってわかるでしょ」
「うん、確かに」
「いや、夢じゃないにしても」
「あれはないだろ」
「あの二人があんなに連携取れてるって」
「ちょっと」
生徒会での仲の悪さは何かというのだ。
「あれは何?」
「生徒会でのいつもの言い合いは」
「さっき全然言い合わなかったし」
「コンビネーションも見事で」
「普通に会話もしてたし」
「視線がぶつかることもなかったし」
それもバチバチとだ。
「あれどういうこと?」
「仲悪いんじゃないの?」
「犬猿の仲だってのに」
「それがどうして」
二人のことを知る誰もが何でだとなっていた、このことを不思議がるばかりだったがここでだった。
林業科の代表がここでこう言った。
「そういえばあの二人と同じ学校の奴普通科にいたな」
「ああ、あっちにか」
「あっちにそうした人
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