第二章
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失うものはないというのだ。
「だからな」
「一気にか」
「前に出てか」
「ガチで特攻か」
「それでいくんだな」
「ああ、どっちのかの人と付き合えても両方駄目でもな」
例えどうなってもというのだ。
「話はするぜ」
「ああ、楽しみにしてるで」
「これから一体どうなるかな」
「成功してもそうならなくても聞いてやる」
「その話待ってるぜ」
「それじゃあ今からお店に行って来るな」
そして顔写真付きの写真を出そうと思っていた、だが店に行ってだ。太志は店長にこう言われた。
「御免、うち今はね」
「バイトの募集はですか」
「していないんだ」
こう言われたのだ、幸い早紀も友希も今はお店の外で掃除をしていて太志のところにはいない。
「だからね」
「不採用ですか」
「不採用というか最初から募集していないから」
だからだというのだ。
「もうね」
「このお話ですね」
「うん、最初からね」
なかったことで、というのだ。
「そういうことでね」
「わかりました」
こうしてだった、太志は店長に穏やかな笑顔で言われてだ。
帰された、その後でだった。
学校でクラスメイト達にこのことを話すとだ、彼等は笑って言った。
「それは仕方ないな」
「最初から募集してないんだったらな」
「そういえばお店にそうした貼り紙とかしてないな」
「してたら貼ってるな」
「そうだよな」
「ああ、もうお店に入る前の段階でだったよ」
それこそとだ、太志も苦笑いで言った。
「駄目だったよ」
「じゃあ仕方ないな」
「もう諦めるってことでな」
「あの人達は観てるだけ」
「それしかないな」
「結局高嶺の花かよ」
太志は今度はこうぼやいた。
「仕方ないな」
「まあそういうことでな」
「俺達もそれで諦めるか」
「諦めてそしてな」
「見てるだけでいいってしようぜ」
「女優さん見る感じでな」
クラスメイト達もこう言ってだ、太志と共に二人は観るだけにすることにした。これは二人を知る多くの者達がそうだった。
だがある日だ、商店街でだ。
近所の柄の悪い高校生達が喧嘩をはじめた、大人しいカラーの太志達が通っている高校の生徒達ではなく。
県内でも評判の不良高校の生徒達だ、彼等が商店街の中でいきなり何十人単位で暴れだしたのだ。
それを見てだ、太志はびっくりして一緒に帰っていたクラスメイト達に聞いた。
「あれ何だよ」
「校内の生徒同士の喧嘩みたいだぞ」
「同じ高校の制服だぞ」
「亀田高校の連中だぞ」
その札付きの高校である。
「あそこまた荒れてるからな」
「校内で喧嘩しょっちゅうらしいぞ」
「それでだな」
「ああしてな」
「商店街でもはじめたらしいな」
「警察呼ぶか?」
太志はすぐに
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