《第零巳》~プロローグ
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い合って、狩高見さんがソファーに座り独りでお茶を飲み乍らテレビに映る芸人を見て馬鹿笑いしていたのだ。
疑問は色々とあるが、何にしろ、本人聞くしかない。
私は、狩高見さんの目を見て話し掛けてみた。
「随分とダイナミックなおもてなしですね。全く狩高見さんらしいです。それで、どうしたんですか?」
「久しぶりだねぇ、颯図くん。元気してたかい?」
狩高見さんは、深い笑みで私に語りかけた。
しかし、会話は噛み合っていない。
チッと私は舌打ちをした。
もう一度聞く。
「久しぶりですね。それにしても一体何用ですか?」
脅しかける様に問う。
狩高見は足を組むと、頭を掻き、再び微笑すると、颯図にこう言った。
「実は颯図くんには一つ、お願いをしたいんですよ。」
狩高見は悠長に立ち上がると、パチーンと良い音で指を鳴らした。
すると後ろの方から、背が高く体格の良い男二人がずんずんこちらへ歩いてきた。
居丈高に私を見ている.......。
「え!?ちょっ、なんだ!?」
本能的に呟く。
私は無理矢理ソファーから立たされ、羽交い締めにされた。
狩高見は、表情一つ変えずに私を見ている。
「い、いたっ!ふざけ──っ!!」
首を思い切り打撲されて、私は又気を失ってしまった。
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この体全体の窮屈さは何だろう?
そういえば、私は暴力を振るわれて......。
『狩高見様!もうそろそろ実験といきましょう!!予定時刻となりました。』
大勢の部下達は、恐ろしい程に声を揃えて言った。
「ううん、そうだな。────おいっ颯図くん!!起きているんだろ?」
狩高見は大きく手を三回叩いた。
「お前は一体何を考えてんだ?」
狩高見は部下達に、「灯りを消したまえ。演出用意!」と厳か命令した。
ガタンッと一気に暗闇になると、スポットライトが一つ点いた。注目するは狩高見 六四。
彼は又足を組むと、私を見つめてこう言った。
「落ち着いて聞きたまえ。別に物騒な話ではない。」
虫酸が走るが、今は堪え忍び話をきこう。
「いやはや、話が話でねぇ。内容が少しばかり漠然とし過ぎてるんだよな。だから、敢えてこういった形をとらせてもらった。」
狩高見の表情が急に強張った。
「君にはこの地球から出て、ある星に行ってほしいのだ、所謂宇宙旅行という奴だ」
私は思わず腹から声を出して大笑いしてしまった。ここまでされておいて、出た内容がこの様である。それは笑い飛ばしたくなる。
「狩高見さんは私を馬鹿にしているんですか。ふふふ、第一そん
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