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渦巻く滄海 紅き空 【下】
七 宣告
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う軋んだ音だけがやけに響く。


「里を守る為の行いが、結果、里を苦しめ、その上、同盟を信じず、避けてきた他の里によって助けられようとしておる…―――わしのしてきた事は、間違いばかりだ」

自嘲気味に語るチヨは、カカシに否定も肯定も何の返答も望んでいない。
それを察しているからこそ、カカシも無言で応えた。


「その上、老い耄れて諦め癖までついた……カカシよ」

名を呼ばれたカカシはそこでようやくチヨに視線を向けた。
チヨは羨ましげにいのと、そしてナルを見つめていた。


「若いとはなんという可能性を秘めていることか…」

羨ましいのぉ、と続くチヨの言葉に、ようやっとカカシは意見を返した。

「まだまだこれからですよ。十分お若いですし」


微笑むカカシに、お世辞だとわかっていながらも、チヨは楽しげに笑った。一頻り笑った後、彼女は伏せていた顔を大きく上げる。



「そうさのぉ…ワシにもまだ、できることがあるかもしれんのぉ…」
まだ、出来ることが。



同じ人柱力でありながら、我愛羅を誰より必死になって助けようとしている、九尾の人柱力の波風ナル。
先を急ぐ彼女の背中を見つめるチヨのその双眸には、年齢にはそぐわない、強い光が湛えられていた。

























【不可視の領域】。

【写輪眼】や【白眼】をもってしても、視ることが決して叶わぬ結界の内、ナルトは目の前の激しい応酬に、大きく溜息をついた。
うちはサスケとイタチとの間を取り持った時と同じく、【零尾】の力を借りている為に、この領域はナルトに支配下だ。それがたとえ、我愛羅の中であっても。

よって、我愛羅も一尾である守鶴もお互いチャクラを使えないのだが、双方は先ほどから激しい舌戦を繰り広げていた。




話し合いの場を設けたところで、そうすぐに仲良くなれるとは毛頭考えていなかったが、先が思いやられる。
四代目風影である我愛羅は生真面目すぎる性格であり、反して守鶴は意外にファンキーな節がある。
気が合うとはお世辞にも言えないだろうと予想はしていたナルトだが、再度溜息をつく。

まぁ、双方とも姿形と性格を知れただけでも良しとしよう。現段階では、白と君麻呂のような間柄であっても、お互い何も知らないままよりはマシだろう。
それに、もう時間が無い。

結界の内にいても、事前に仕掛けた術によってナルトには外の様子が手に取るようにわかる。そろそろ砂隠れの里から我愛羅奪還の為の追い忍が洞窟の前へ来るだろう。
そのうちの一人が波風ナルだと知っているナルトは、今まで貫いてきた沈黙の構えを解いた。



「話の最中、悪いが打ち止めだ」

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