ターン85 鉄砲水と変幻の銀河
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れているのか、単に様子見だけなのか……どちらも可能性としては十分あり得るだけに、余計に読みづらい。この緊張感のある読み合いは、他の後輩たちとの卒業デュエルとは一味違う。
清明 LP4000 手札:4
モンスター:1(セット)
魔法・罠:なし
葵 LP4000 手札:3
モンスター:1(セット)
魔法・罠:2(伏せ)
「僕のターン。来い、ツーヘッド・シャーク!」
ツーヘッド・シャーク 攻1200
ただまあ、彼女の意図がどちらにせよ結局最後には突撃するのだから読みもへったくれもないのだが。切り込み役としてこれまでもずっとお世話になってきた双頭のこの鮫は攻撃力こそ若干低いものの、葵ちゃんが得意とする忍者は守備力がそこまで高いわけでもない。1撃目の攻撃で破壊し、続く連続攻撃の効果でもう1撃当てる。うまくいけば儲けものだし、それだけの価値はある。
「バトル!」
「伏せモンスターは裏守備のまま、ですか。ならば、このカードでお相手しましょう。トラップ発動、鎖付きブーメラン!この忍具・鎖鎌は不用意に踏み込んできた敵の動きを封じ込め、表示形式を変更します」
「む……」
床から伸びてきた1本の鎖が、先端に付いた刃物をおもり代わりにぐるぐると回転しツーヘッドの体を絡め取る。ま、当然伏せカードが2枚もあれば止めてくるか。だけど表示形式の変更ということは、少なくとも戦闘破壊に失敗したツーヘッドが攻撃表示のまま突っ立った状態でターンを終える最悪の事態にはならずに済んだ。今はそれで良しとしよう。
ツーヘッド・シャーク 攻1200→守1600
「ターンエンド」
「いいんですか、先輩?そんなにのんびりしていて」
エンド宣言をした瞬間、背筋がぞくっと来た。あの眼は本気だ、獲物を見る目だ。間違いない、来る!
「私のターン、ドロー!セットモンスターを反転召喚、白い忍者!このモンスターのリバース効果により、先輩のセットモンスターを破壊します!白砂忍法ホワイト・ディフォーム!」
白装束に身を包む忍者が印を組むと、その足元から純白の砂が舞い上がる。風もないのに飛んできたそれがセットモンスターの上に雪のように降り注いだかと思うとみるみるうちに僕のカードが砂の中に埋まっていき、ほんの数秒のうちに完全にその姿が消えてしまった。僕のあのモンスターはグレイドル・アリゲーター、戦闘破壊や魔法破壊にこそ強いもののモンスター効果は何のトリガーにもできない。
「やってくれるね、葵ちゃん」
「やる?お言葉ですが、この程度でやってくれる、なんて評さないでいただきたいですね。やってくれる、というのは、こういうことを言うんですよ!永続トラップ発動、忍法 超変化の術!私の忍者と先輩の表側表示のモンスターを1体ずつ
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