ジカジカの実の真価
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
爆風を利用し上空へと飛翔する。
これでけりを付ける。
この男は危険だ。
早急に倒さなければならない。
何の根拠もない焦燥にも似た思いが今の彼女の体を動かしていた。
狙いは奴の頭部
今なおMr.5の攻撃で炎に包まれている奴の首をへし折り、確実に息の根を止める。
「1万キロプレス!!」
繰り出すは自身の必殺の一撃
この能力で幾度となく敵を屠ってきた。
今、奴は炎により周囲が見えていないはずだ。
ならば自身の上空からの攻撃が止められる道理など存在しない。
能力によって後付けされた彼女の体重は既に生物が耐えられる重さを超過している。
正にあらゆる万物を破壊するギロチンが眼下に落とされた。
Ms.バレンタインの攻撃がアキトに振り落とされ──
何……ッ!?
瞬間、炎が勢いよく晴れ、無傷のアキトの姿が現れる。
そして、自身の必殺の攻撃は上空を見ることなく左手によっていとも簡単に受け止められた。
Ms.バレンタインは眼前の光景が信じられず、瞠目する。
何なのだ、この男は
まるで鋼鉄にも似た硬質の物体を相手にしているような感覚を足裏から感じる。
まさかこの男も何らかの能力者だというのか
唖然とするMs.バレンタインを見上げたアキトの表情からは何も読み取ることは出来ない。
交錯する視線
アキトは言葉を発することなく、彼女の靴底を掴み、眼前へと引き下ろす。
続けて、驚愕の表情で此方をを見るMr.5へ勢い良く投げ飛ばした。
Ms.バレンタインとアキトの交戦の様子を少し離れた場所から見ていたMr.5の心情は荒れに荒れていた。
「そ、そんな馬鹿な……」
Mr.5の心情は混乱の窮地に陥っていた。
何なのだ、この男は
これまで自身の前に立ちふさがってきた者はボムボムの実の力によって難なく排除してきた。
既に自身とMs.バレンタイン、加えてMr.3の策略によって危険対象である麦わらは無力化し、三刀流の男も蝋人形となった。
あの麦わらでさえボムボムの実による爆発により一度は地に伏したにも関わらず、目の前のこの男には毛ほども効いている様子がない。
Mr.5が気付けば、Ms.バレンタインが為す術無く此方に投げ飛ばされていた。
反応が遅れ、彼女と衝突し、地面を彼女を抱える形で勢い良く転がる。
加えて、能力を切るのを失念していたためその場で爆発し、Ms.バレンタインを燃やしてしまった。
瞬く間に2人はボロボロになった自分達とは異なり、前方のアキトはその場から動くことなくこちらを静視している。
「くぅぅうッ……!」
「く、くそッ!」
呻き声を上げるMr.5とMs.
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ