第162話
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桔梗から話しかける。
「何ですか?」
「恭介の事、好き?」
「ぶっ!?」
思わず飲んでいるコーヒーを噴き出しかけた。
少し咽ながらも聞き返す。
「な、何を・・・」
「同じ人を好きになっている人がいると、感が冴えるのかしら。」
「じゃあ、貴女も・・・・」
「貴女もということは、好きなのね。」
あっ、と完璧な誘導尋問にひっかかる。
みるみる顔が赤くなっていく。
「別に好きだからといって、何かするつもりはないわ。
ただ一つだけ言いたくて。」
「な、何ですか。」
少し緊張した面持ちで聞く。
桔梗は片目を瞑ってこう言った。
「負けるつもりは全くないから。」
堂々と宣戦布告を聞いて、呆気にとられてしまった。
この場には二人しかいない。
だからこそ、制理も正直な気持ちで桔梗に言いかえした。
「私も・・・負けません。」
制理の眼を見た桔梗は嬉しそうな笑みを浮かべる。
恋のライバルが増えたのに、何故嬉しそうにしているのか制理には分からなかった。
麻生と同い年でこういう子がいる事を知って嬉しかった。
これは予想だが、きっと友達もいる筈だ、と桔梗は思う。
(それでも譲るつもりはないけど。)
麻生がこの部屋に暮らす事になったと聞いて、少しだけ元気になった。
あの悪夢を見て今まで苦しい思いをしてきたのにだ。
それがきっかけになったのか、二人で麻生について話をする。
麻生が戻ってくる頃には二人はとても仲良くなっていた。
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