第162話
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く。
麻生からカードを受け取り、制理は部屋を出て行った。
生活に必要な荷物を取りに向かったのだ。
自分の荷物を取りに行くか、と思って部屋を出て行こうとした時だった。
後ろから抱き着かれたのは。
「恐かった・・・・凄く恐かった。」
抱き締めてくる桔梗の身体は震えていた。
さっきまでは大丈夫そうに見えたが、実際はそうでなかった。
心は折れかけていた。
抱き締めてる腕を麻生は解いて、桔梗に向かい合う。
「大丈夫だ。
今日から傍にいる。
お前は・・・お前達は俺が守る。」
「うん、ありがとう。」
安心したのか、桔梗は麻生から離れる。
部屋を出た麻生は自分の寮に向かう。
といっても、麻生が用意する物なんて服くらいだ。
それ以外の物はこの部屋に置いていくつもりでいる。
簡単に荷物を纏めて部屋を出ると上条に出会った。
「あれ、どこかに行くのか?」
背負っている荷物を見て、どこかに泊まるつもりなのだと判断した。
「少し別の家に泊まる事になってな。」
「えっ・・・それじゃあご飯とはどうすればいいんだ。」
「そんなの自分で考えろ。」
横を通り抜けようとするが肩を掴まれてしまう。
「何だ?」
少し鬱陶しいそうな口調で言う。
上条の顔は何かに怯えているような顔だった。
「麻生の料理が無かったらインデックスの処理はどうすれば良い!?
最近、とうまの料理が飽きた、とか言い出しているんだぞ!?
麻生の料理が食えないかもしれないって分かったら、暴動が起こるぞ!!」
「それをどうにかするのが同居人の役目じゃないのか?
舞夏にでも手伝って貰え。」
「あいつ、学校の授業で最近ここには来ないんだよ。
だから頼れるのは貴方しかいないんです!」
そんな感じで上条がひたすらに頭を下げつつけた。
結局、上条の部屋で軽く料理をする羽目になった。
予想もしなかったアクシデントに時間をとられた。
マンションに向かう前に麻生はある場所に向かった。
愛穂が入院している病院だ。
カウンターで愛穂がどこにいるかを聞くと、この時間はリハビリ室にいるらしい。
リハビリ室に向かうと、多くの人がリハビリしていた。
その中で棒に掴まって歩いている愛穂の姿が見えた。
汗を掻きながら必死に歩くのを練習している。
休憩するのか椅子に座って、水の入ったペットボトルを口にしながら、タオルで汗を拭いていた。
それを見計らって、麻生は部屋に入り愛穂に近づいた。
「よう、愛穂。」
「恭介じゃん。
どうしたの、その荷物。」
「その事についてお前に話したい事があってな。」
自分が泊まる事情と制理の事情を簡単に説明する。
「ウチは全然問題ないじゃん。
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