暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と春の花達
第十二幕その一

[8]前話 [2]次話
           第十二幕  お花見
 お花見に行く朝です、トミーは先生に言いました。
「明日羊肉のステーキにしますね」
「そうしてくれるんだね」
「はい」
 先生に笑顔で言いました。
「マトンでもいいですよね」
「いいよ」
 これが先生の返事でした、先生はもういつものスーツ姿で帽子までその手に持っています。
「ラムでもね」
「どちらでもですね」
「そう、いいよ」
 どちらのお肉でもというのです。
「僕はね」
「日本じゃマトンは匂いが」
 それがというのです。
「気にされるんですよね」
「そうなんだよね」
「あの匂いがいいと思うんですが」
「食欲をそそってね」
「けれどですね」
「そう、その匂いがね」
「日本には抵抗がある人が多いんですね」
「そうなんだよ」
 その通りだというのです。
「そこはね」
「そうなんだね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「ラムが好まれるけれど」
「あまり食べない中で」
「僕はどちらでもいいよ」
「マトンでもですね」
「むしろその匂いもね」
「いいですね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「明日は楽しもうね」
「ステーキを」
「主食は御飯かな」
「そのつもりです」
「そちらもいいね、パンもいいけれど」
 それでもです、最近の先生は。
「最近本当にね」
「御飯よく召し上がられていますね」
「病みつきになったよ」
「日本に来てから」
「もう毎日食べてるね」
 今の先生はそうなっています。
「パンを食べる時もいいけれど」
「どっちがいいですか?パンと」
「どうこう言えないかな、それにね」
「それに?」
「日本のパンは美味しいね」
 こうも言ったのでした。
「そちらもね」
「そうですね、実はです」
「実は?」
「今日のお弁当お握りを作ったんですが」
 それでもというのです。
「サンドイッチも考えました」
「そうだったんだ」
「はい、実は」
 そうだったというのです。
「日本のパンは美味しいので」
「中に入れるものまでね」
「だから考えました」
「正直イギリスのサンドイッチより美味しいかな」
「そうだと思います」
 トミーも否定しませんでした。
「とにかくイギリスのお料理は」
「何もかもがね」
「味は、ですから」
「僕も日本に入ってね」
「よく認識されましたね」
「紅茶からして違うし」
 先生が一番大事にしているこれもです。
「そしてね」
「パンも他のものも」
「全然違うからね」
「同じ食材で同じものを作っても」
「違うんだよね」
「そのこともありまして」
「サンドイッチをだね」
「そう考えていましたけれど」
 それをというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ