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真剣で納豆な松永兄妹
新章プロローグ
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 そう、誰も不幸にならない結果に道筋の結末はここに終結している。ただ1人、松永久秀だけはそれほど幸せではないが。
 勝てる算段はあるが、5割強。大会でも開いてもらって、その間に川神百代の心を乱すような働きをしていれば7割以上の勝率が見込めただろう。
 川神百代ばかりにかまけて、軍師への対処を怠った。それだけの話である。
 その結果が、真剣勝負の決闘なのだ。
 
「では――」

 川神鉄心が、開始を告げようとする。
 緊迫感が川神院を包む。恐らく、人類頂上決戦になるだろう戦いが数名に見守られながら開始されるとは思いもしないだろう。

「勝負開始っ!」



 始めに動いたのは、言うまでもなく――

「いきなりの川神流無双正拳突きーっ!」
「松永流受け流し」

 正拳突きに、対して廻し受け。
 いたって普通に始まった決闘。
 ただ、正拳突きは一撃必殺の必殺技に昇華させたものであり、数多くの武道家はこれに敗れている。
 それを受け流す方もどうにかしているだろう。
 廻し受けによる受け流しからの、ハイキック。
 綺麗な空手のソレに、川神百代は感心する。
 鋭い蹴りだ。疾い蹴りだ。威力のある蹴りだ。普通の人間が受けたならば、頭が吹っ飛ぶだろう。
 
「腕が痺れたぞっ!」
「チッ」

 掌底。回転させ、捻り込むように放たれたそれは、身体の内部に深刻なダメージを与えるだろう。
 ただし、当たれば。

「避けるか」
「ああ、痛そうだったからな!」

 嗤う。川神百代は、心の底から嬉しそうに嗤う。
 それは、歓喜。闘気、殺気が含まれた掌底には、凄まじい威力が込められているのを見て取った。
 瞬間回復があれば問題は無いだろうが。

「電流か!」

 気を電気に変換させたそれを喰らうのは、不味いと直感した。

「対瞬間回復か?」
「答えるわけねーだろう」

 拳が飛ぶ。蹴りが飛ぶ。その全てに、電流が走っていた。
 さすがに、全てを躱せるわけもなく数発被弾する。
 川神百代に攻撃を当てる方も異常であるし、その攻撃を受けて回復する川神百代も異常である。
 
「電流、炎、気。アレ? ここは異世界?」
「落ち着けモロ。俺だって目の前の出来事がファンタジーなのは知ってる」


 モロとガクトは何やら不思議なモノを見ている感じであった。
 と言うよりも、今の処互角にアノ川神百代と戦っている人物に賞賛を送る。
 だが、彼らの多く風間ファミリーは川神百代が負けるなどとは思ってもいない。
 一方で、松永久秀の勝利を疑っていない者もいる。その筆頭が九鬼紋白。
 次に松永燕。
 
「戦闘を楽しもうと始めからトップギアで来ない」
「ははっ。笑わせるな。もっと楽しもう」
「後
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