狂った男と意識の中に通る声
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。その瞬間、HPバーが満タンになる。そして痛みが無くなる。
「「……まっててね。今終わらせるから……」」
アスナとユキはそう言ってクラディールに向かって歩き出す。
向かう先のクラディールはようやく体を起こし、近づいてくる影を見て、両目を見開く。
「あ、アスナ様、ユキ様……どうしてこのような場所に……い、いや、これは、訓練、そう訓練でちょっとした事故が……」
すごい勢いで立ち上がり、裏返る声で言った言葉は最後まで言えなかった。アスナとユキの剣がクラディールを切り裂く。
「ぶぁっ!!」
クラディールは片手で口を押さえて仰け反る。一瞬動作を止めた後、俺らのときのような機械仕掛けみたいな動作をしてカクンと戻す。その時、顔には憎悪の色が浮かんでいた。
「このアマども……調子に乗りやがって……。まあ、ちょうどいいやどうせお前らもすぐに殺ってやろうと……」
アスナとユキは言い終える前にまた、攻撃する。
「お……くぉっ!!」
応戦するがさすがに2対1になるとなると厳しく防戦一方だ。
「くそぉ!あああああ!!」
隙を見て両手剣を振るが、その攻撃はユキが全て盾で受け流す。クラディールのHPが見る見る減っていき危険域に突入する。クラディールは剣を投げ出して跪く。
「わ、解った!!わかったよ!!俺が悪かった!!」
そして土下座をしながら懇願する。
「も、もうギルドは辞める!!あんたらの前にもう二度と現れねぇよ!!だから!!」
アスナとユキはそれを黙って聞いていた。その後ゆっくりと直剣と細剣を掲げ、カシャリと逆手に持ち換える。そして、クラディールの背中へと突き立てられようとしたが、その瞬間、クラディールは甲高い悲鳴を上げた。
「ひぃぃぃっ!死に、死にたくねえーーー!!」
剣は何かにぶつかったように止まる。ユキとアスナはこの世界に来て誰一人も殺していない。だからためらいがある。だけど、ユキやアスナの手を汚させたくない。そう思って俺は麻痺の治った体を持ち上げてユキたちのほうに向かう。しかし、その躊躇は奴の狙ったことだった。
「ッヒャアアアアア!!」
土下座していたクラディールは、いつの間にか握りなおした両手剣でユキとアスナの剣を弾く。そして体勢を崩した二人に向けて両手剣をフルスイングする。その瞬間、俺の横を純白の風が通り過ぎる。キリトはクラディールのフルスイングの両手剣を受け止める。
そして、その時に受け止めた腕の片方が吹っ飛ぶ。その後にクラディールに向けて体術スキルを使おうとしていた。お前はこれ以上手を汚しちゃいけない。俺はクラディールとキリトの間に入り、キリトの体術スキル、《エンブライザー》を腹に食らう。
「グハァッ!!」
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