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狂った男と意識の中に通る声
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き残りだったのか?」

 掠れた声で言うキリトに俺が答える。

「ちげうぞ、キリト。こいつはラフコフの生き残りなんかじゃねえ。まだ捕まえてないラフコフのメンバーが勧誘した野郎だ」

「よーく分かってんじゃねえか。この麻痺テクはそん時教わってんだぜ……、と、やべぇやべぇ」

 機械じみた動作で立ち上がって、クラディールは両手剣を握りなおす。

「おしゃべりもこの辺にしねえと毒が切れちまうからな。そろそろ仕上げと行くかァ。デュエルと首に剣を押し当てられて脅されたときから毎晩夢に見てたぜ……この瞬間をな……」

 そう言って見開かれた目には妄執の炎を燃やし、両端を吊り上げた口から長い舌をたらしたクラディールは爪先立ちになって大きく剣を振りかざした。その瞬間、キリトは左手に持っていたピックをクラディールに向かって投げる。しかし、麻痺のせいで狙いが定まらなかったらしく、左腕に突き刺さった。

「……てぇえな……」

 クラディールは鼻筋に皺を寄せ、唇をめくりあげると剣先を俺とキリトの重なっている部分の太ももに剣を突き立てた。

「……がぁああああ!!」

 痛い、痛い、痛い。

 これ以上の痛みを受けたこともあるが痛いもんは痛い。そして、二、三度回転されてさらに痛みが増す。まだ麻痺が解けない。一度太もも辺りに刺された剣が抜かれ、クラディールはキリトの手を持って、キリトの手と俺の足が重なるように置く。そして再び、突きおろされる。

「ガッ……!!」

「どうよ……どうなんだよ……。もうすぐ死ぬってどんな感じだよ……。教えてくれよ……なぁ」

「ツゥ……!!なら、テメェが自分にやって見ればいいじゃねえか。どんな感じか分かるようによ……」

 痛みを堪え、声を出す。

「へぇっ。口のへらねえガキだな!!」

 そう言って回転を加えられる。そのせいで脚の痛みが強くなる。どんどん減っていくHPは安全域の緑から注意域の黄色へと変わる。

「おいおい、他になんか言うことはねえのかよ。ホントに死んじまうぞォ」

 クラディールの剣が俺の脚、キリトの手から抜かれ、重なっている腹を貫かれる。HPが大きく減って危険域の赤へと突入する。俺はこんなトコで死ぬわけにはいかない。ユキのため、誓いのため。クラディールが少しキリトを移動させたお陰で動かせるようになった腕を動かし剣を掴む。

「うおおおおおっ!!」

 そして、痛みを堪えて剣を引き抜こうとする。キリトも剣を掴んで引き抜こうとする。

「お……お?なんだよ、やっぱり死ぬのは怖えぇってのかぁ?」

「そうだ!」

「俺らはなぁ、こんなトコで死ぬわけにはいかねぇんだよ!!」

「カッ!!ヒャヒャッ!!そうかよ、そう来なくちゃな!!」

 ク
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