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狂った男と意識の中に通る声
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 団員の悲鳴を無視して喋りながら剣を打ち下ろす。

「荒野で犯罪者の大群に襲われぇー」

 もう一度。

「勇戦空しく四人死亡ォー」

 さらに、もう一度。

「俺一人になったものの見事犯罪者を撃退して生還しましたァー」

 そう言い終えたと同時に団員のHPが消滅してポリゴン片へと変わる。その中で恍惚な表情で体を痙攣させていた。狂ってやがる。クラディールはとうとう視線をこちらに向けた。その顔は抑えようのない歓喜の色が張り付いている。大剣を引きずりながらゆっくりと近づいてきた。

「よォ」

 仰向けに倒れている俺とキリトの傍らにしゃがんで、ささやくような声で言う。

「おめぇらみたいなガキ二人のためによぉ、関係ない奴を二人も殺しちまったよ」

「その割にはずいぶんとうれしそうじゃねえか」

「たしかに、生まれつきの殺人者みたいだな」

 そう言いながら、何か言い案がないか考える。しかし、キリトが上にいるため腕も動かず、緊急用の短剣が取り出せない。それに背中の間にも手を回せないにため、何も出来ない。せめてもの足掻きで話し続けて麻痺が解けるのを待つ。

「お前みたいな奴はKobよりも犯罪者ギルドに入ったほうがよっぽどお似合いだぜ」 

「そうだな。お前みたいなやつは正規の攻略ギルドとか中層のギルドに入るよりもそういうほうが似合ってるぜ……」

「クッ、決まってんじゃねえか。あの女たちだよ」

「テメェ……!!」

 ユキとアスナということにすぐに気付く。

「貴様……!!」

 キリトも唸る。

「そんなコエェ顔すんなよ。所詮ゲームじゃねえかよ……。心配すんな、おめぇらの大事な姫様達は俺がきっちり面倒見てやるよ。いろいろ便利なアイテムもあることだしな」

 クラディールは気味の悪い笑みを浮かべながら傍らにある毒入り水の瓶を拾いちゃぷちゃぷと鳴らして見せた。

「それによ。おめぇらさっきおもしれー事言ったよな。犯罪者ギルドが似合うとか何とか」

「「事実だろ」」

「褒めてるんだぜぇ。いい眼してるってよ」

 くくく、と喉から甲高い笑いを漏らしながら、クラディールは左のガントレットを除装した。純白のインナーの袖をめくる。露になった腕を見ると奥歯を噛み締める。そこにあったのはタトゥーだ。しかし、それはただのタトゥーではない。ラフィンコフィンと言う最大最凶の殺人者(レッド)ギルド。俺はこの討伐部隊に加わり、自分の手をさらに三人の血で汚した。親友を助けるため一人、愛する人を助けるために二人殺した。親友の手を汚さないためにやったが結局、親友も二人殺し汚してしまった。俺にとってこの戦いは罪をさらに重くしたものである。

「これは……復讐なのか?お前はラフコフの生
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